ワークライフ・バランス先進国「オランダ」の幸せな働き方

2015.11.06

チューリップに風車、スポーツでいえばサッカーでしょうか。みなさんが思い浮かべるこの国の特徴といえば何ですか?

これからの働き方を考える上で、ぜひ知っておきたいのが「オランダ」という国での働き方です。2012年にOECD(経済協力開発機構)が加盟34ヶ国を対象にした調査では、オランダは「年間の平均労働時間の最も短い国」として選ばれるなど、「ワークライフ・バランス先進国」としての地位を確立してきました。

ここでは、そんなオランダの柔軟な働き方や制度について、歴史的な背景も含めて学んでいくことにしましょう。

日本人は「労働許可なく」オランダで働くことができるように

日本において、オランダへの関心が特に高まったきっかけとしては、2015年3月に発信された『2014年12月24日オランダ政府は、日本国籍者はオランダで労働許可なく就労できる』というニュースが挙げられます。

これはつまり、現地の企業に雇われながら滞在するために従来必要だった「労働許可」の取得が不要になったことで、日本人が圧倒的にオランダで働きやすくなったという経緯があります。

オランダが世界から注目される「柔軟な労働環境」

オランダでは、「パートタイム」での雇用の割合が日本よりも高く、全体の中でも大きな割合を占めています。日本で「パートタイムでの仕事」といえば、給与面でも仕事の内容においても正社員と比べて低く設定されがちですが、オランダでは全員がある意味で「正社員」ともいえる考え方が広く浸透しています。

<パートタイムで働く人数平均割合>

男性 女性
EU加盟国 8.7% 32.2%
オランダ 26.8% 76.6%
日本 13.8% 45.9%

(出典:http://www.economist.com/ , http://www.mhlw.go.jp/

上記の表を見ると、オランダは女性の「パートタイム」で仕事をしている割合がずば抜けて高いことがわかります。その理由として、家庭内での仕事と生活のバランスを保つための「ワークシェアリング」という考え方が浸透しているという点が挙げられます。

日本では、共働きであっても男性サラリーマンが家事、育児に関わる機会は少なくなりがちです。しかしオランダでは、そういった夫婦の一方だけが仕事中毒に陥ることのないように、男女共に「パートタイム」を一般化し、働く日を週に3日だけにしたり、1日の労働時間を6時間に調整するなど、文字通りの「労働の自由化」を実現したのです。

それにより、オランダでは妻の育児負担が減少し、夫と平等な生活環境を作ることができるようになりました。

オランダ国内にあった様々な課題を乗り越えてきた過去

現在は、「ワークライフ・バランス先進国」として注目されているオランダですが、国内には元々様々な課題と向き合ってきた過去があります。

その1つとして、「妻も働かないと実質所得が維持できない」という問題がありました。1990年代後半までは、オランダもかつてはアメリカと同様「女性は家で育児に徹する」という役割分担がハッキリしていたため、所得を増やす女性も仕事に出るようになりました。

しかし、アメリカは男女平等に働いて所得を2倍にしようとした結果、家族崩壊が起きました。その失敗を目の当たりにしたオランダは、所得は1.5倍にし、差分の0.5を家族のために使うようにしたのです。「家族を大切にしながら実質所得を増やす」オランダ型「ワークシェアリング」のルーツは、アメリカの失敗から学び、乗り越えてきたオランダの賢明さから築かれていったのです。

「世界で最も労働時間が短い国」「子供の幸福度世界一」という結果

オランダは、「世界で最も労働時間が短い国」であると同時に、「子供の幸福度世界一」にも輝いています。現地の学校では、外国人でも無料で受けられる授業や、オランダの教育を英語で教えるインターナショナルスクールの充実など、恵まれた子育て環境が整っています。

働く時間や日数を自由にコントロールし、家族での時間を多く作ることによって、円満な家庭を保つができます。日本にも「労働の自由化」とまではいかなくとも、働き方に対する選択肢が増えるだけで、「ワークライフ・バランス」を改善していけるのではないでしょうか。

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