ワークライフバランスとは、企業が儲かるための「経営戦略」である。川島高之氏が語るイクボスの心得

2015.12.28

6月13日に開催された、NPO法人ファザーリング・ジャパン主催『ITイクボスフォーラム』の中から、三井物産ロジスティクス・パートナーズ株式会社社長、川島高之氏の講演内容を前編・後編に渡ってご紹介します。

前編に続き、後編では「自らがイクボスになるために必要な考え方」を紹介するとともに、福利厚生の一環と思われがちな「ワークライフバランス」の本当の効果について語られました。

前編:上司が変われば、社会が変わる!ITイクボスフォーラムで注目を集めた川島高之氏の「イクボス戦略」

イクボスになるための重要な心得

自らが「イクボス」となり、社員にワークライフバランスの考えを浸透させていくためには、子育て支援に特化させないことが大事であると川島さんは語ります。

川島「多くの企業では、ほぼ『ワークライフバランス=子育て支援』というふうに連動してしまっていますが、これって逆にやればやるほど逆効果を生んでしまいます。ですから、子育て中の人たち以外の人たちにも、ワークライフバランスを考えさせる、私生活重視の思考にさせるというのが、一番力を注いだところですね。」

たとえば、社内に子育て中の社員がいた場合、時短勤務を適応したり、状況に応じて早退を認めるとなると、他に子どもがいない社員にシワ寄せ、不平等感が生まれてしまいます。

また、これまでに「子育て」と「仕事」を両立してきた上の世代から反発を受ける可能性もあるでしょう。

そういった対立の構造を生まないために、子育てをしていない社員にとっても仕事以外での私生活が充実するような後押し、支援が必要であると川島さんは語ります。

川島「私がよく言っているのが、別に婚活だって良いんだよということです。30代、なかなか出会いの少なく、夜遅くなりがちで、この婚活逃したら次いつあるかわからないでしょって。

それはその人にとっては重要な私生活ですよね?『今日は3ヶ月ぶりの婚活だろ?これ逃したら“次”なんてわからないんだから、早く行って来い!』って言ってあげるのも上司の重要な役目ですよね。」

ワークライフバランスを社内で広めるために必要な4つのこと

それでは具体的にワークライフバランスを社内に浸透させるためには何が必要なのでしょうか。川島さんは以下の4点を挙げています。

(1) トップの宣言
(2) 業務量の削減
(3) 制度の拡充
(4) 評価の基準

1.トップの宣言

川島「全社に広めるためには何が大切か。まずはトップの宣言ですよね。休暇制度を一ついれるとかという話ではなく、企業全体を変える話ですから、自分もそうなるんだというトップのイクボス宣言ですね。これは私を含めて管理職は社命だと言い切ること。しかも自分もそうなるんだと社長に宣言してもらう。」

2.業務量の削減

もちろん、トップが宣言するだけでは組織は変わりません。次に大切なこととして、全社をあげて業務量の削減に取り組むことが必要だと語ります。

川島「やらなくていいことの明確化。トップが言ったとしても、業務量が変わらないんだったら現場は裏残業とか疲弊した隠れ残業が増える一方なので。よくあるんですよ、トップが宣言しても仕事量が変わっていないんだから無理よ!と。社内のルール、慣習、フォントの色をどうするかとかで1時間2時間会議したり…そういうことはやめようよと。」

3.制度の拡充

そして、その後に必要なのが制度面での見直しだといいます。必要に応じて時短勤務やフレックスタイム制度、在宅勤務や特別な休暇制度などの導入を推し進めます。

4.評価の基準

最後には、管理職に対して一連のワークライフバランスへの働きかけを評価の対象へ入れることが大切だと語ります。

経営者への提言。「ワークライフバランス、やれば儲かるよ。」

ワークライフバランスの重要性を社内に、特に上司や経営者に対して理解してもらうためには、決して福利厚生の一環ではなく、利益の向上に繋がる施策なのだという点を伝える必要があると川島さんは強調します。

特に経営者が収益を重要視するのは当然のことで、その背後には株主や投資家からの強烈なプレッシャーがあるといいます。

川島「アリババグループの会長(ジャック・マー氏)が『僕はもう一度生まれ変わったら上場しません』って書いてあったんですよね。それぐらい物凄いプレッシャーを受けているわけなんです。

だから日々儲けないといけないという想いが強い中で、福利厚生みたいなことはもうこれ以上できない!と思っている方はいっぱいいると思います。

だから、そこの誤解を解いてあげてください。そうじゃないんだよと。儲けのためにやるというのでも良いんだよと。やれば儲かるよと。ここが経営者に対する重要なメッセージなんじゃないかと思います。」

前編:上司が変われば、社会が変わる!ITイクボスフォーラムで注目を集めた川島高之氏の「イクボス戦略」

このトピックスをみんなとシェアする
このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事が気に入ったら

Work Switchの最新情報をお届け



Follow on twitter