かつての限界集落が地方創生のモデルケースへ!IT企業が次々に虜になる「神山スタイル」

2016.01.27

最近でこそ「地域活性化」、「地方創生」といった言葉とともに、行政や各企業による取り組みに注目が集まり始めていますが、依然として過疎化や住民たちの高齢化によって衰退していく町が地方には多く存在しています。

かつてはその中の一つでもあった徳島県の北東部にある神山町では、2011年に神山町が誕生した1955年以来初めて人口の転入が転出を上回るという快挙を達成し、多くの人の注目を集めました。そして現在では連日の様に、地域活性化のモデルケースとして全国からの視察が相次いでいます。

神山町はなぜ、これほどまでに注目される町になったのでしょうか。ここでは、その理由を裏付ける神山町でのこれまでの取り組みの中から、特徴的な事例をご紹介します。

国内外のアーティストを呼んで作品を創作してもらう「アーティスト・イン・レジデンス」

神山町では1999年から「アーティスト・イン・レジデンス」という取り組みを開始しています。これは各分野で創作活動を行っているアーティストを神山町に招聘し、その活動を支援するという活動です。

狙いは、神山町をすでに有名なアーティストの作品を観に来る場所としてではなく、世界中のアーティストが「作品を作る場所」として神山町を選んでもらうことで、町全体の価値を高めようという点にあります。

実際に毎年3名のアーティストを神山町に招待し、アーティストの滞在が開始されると、外国人を含む移住者も表れ始めるなど、徐々に成果が表れ始めました。

仕事を持ったまま移住する逆指名型の「ワーク・イン・レジデンス」

その後、「アーティスト・イン・レジデンス」の活動はさらなる展開を見せます。移住希望者を受け入れたいが神山町に来てからも継続できる仕事がないため、なかなか定住までに至らない。そんな問題に対する解決策として考えられたのが「ワーク・イン・レジデンス」という取り組みです。

これは、神山町の日々をありのまま伝えるというコンセプトのWebサイト「イン神山」を制作した西村佳哲さんによるアイディアで、町の将来にとって必要な職種の働き手を“逆指名”するという取り組みです。

既に仕事を持っている移住希望者に対して、「この空き家はパン屋に貸します」「この空き家はWebデザイナーに貸します」と具体的な職種名と明示して告知を行い、その条件に合った人から優先的に受け入れを行いました。

これによって、移住希望者は自分が必要とされていることがモチベーションに繋がり、町にとっても中長期的な計画に沿って空き家を提供することができるなど、双方にとってメリットがある取り組みとなりました。

空き家を活用したサテライトオフィスの誘致

また、神山町の名前が広く知れ渡ったきっかけの一つが、空き家を活用した企業のサテライトオフィスの誘致です。そしてその背景にあるのが、光ファイバーの普及率が全国で1位という優れた通信環境にあります。

そもそも神山町がある徳島県は、知事が総務省で情報関連の部署に長く在籍するなどIT分野に知見があり、2000年代半ばから高速通信を可能にする光ファイバー網を県内全域に渡って整備してきたことに起因しています。

現在では「最も通信環境の良い県・徳島」と呼ばれるまでになり、この好条件のもと神山町にはIT系ベンチャー企業9社が神山町にサテライトオフィスを開くまでに至りました。

その中でも、名刺管理アプリ「Sansan」や「Eight」が有名なSansan株式会社は、2010年10月より築70年の古民間を再利用したサテライトオフィス「神山ラボ」を設置しています。主な使用目的としては、プロジェクト単位での短期的な合宿や、2週間の新入社員研修、2週間から1ヶ月程の期間を社員1〜2名で滞在するといった活用をしています。

「神山塾」を通した人材育成

神山町には町の変革を牽引する優れたリーダーたちの存在があります。そして、その中でも象徴的な存在がNPOグリーンバレー理事長の大南信也氏です。

その大南氏率いるグリーンバレーが担う重要な活動の一つが、通称「神山塾」と呼ばれる人材育成プロジェクトです。「神山塾」では半年間に渡って神山町に滞在し、専門的な知識やスキルを集中的に学ぶ機会が与えられます。そこでは単に業務に関する技術を磨くだけでなく、仕事への向き合い方など、通常の就業体験では決して得られないような変化を自分の中に生み出すきっかけとなります。

これまでに実際に募集されたコースは、「WEB技術者の育成」をはじめ、「地域活性化コーディネーターの育成」や「地域ブランド発信アドバイザーの育成」など神山町ならではのスキルを学べるコースが特徴的です。

まとめ

神山町ではこれまでに様々な取り組みを行ってきました。それによって注目度が高まり、県外からの移住者の獲得や企業の誘致に成功しました。今後はさらにそこで生まれた新しい出会いや化学反応によって、今後の活動が加速していくでしょう。引き続き神山町の動向には注目です。

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