pixta_23415051_M

テレワークが2025年には一般化!専門家に聞くテレワークが「お得」な理由(前編)

2016.12.14

pixta_23415051_M
介護が必要な高齢者は増加の一途。ところが、介護人材は40万人も不足しているという現実(参考:「2025 年に向けた介護人材にかかる需給推計(確定値)について」)。その結果、介護離職は今後さらに急増すると、インテリジェンス ビジネスソリューションズ ワークスタイル変革ディレクターを務める家田佳代子さんは指摘します。

家田さんは、20年前に介護離職し、テレワークを実践。介護離職への対策として「テレワーク」を推進し、各企業がテレワークを導入する支援も行っています。そこで、テレワーク導入に際しての課題や解決法、そしてテレワークが普及した未来の働き方についてお話を伺いました。

家田さんいわく、86.7%の人にとってテレワークは他人事ではないそうです。この数字の意味、一体なんでしょうか?

家田 佳代子(いえだ かよこ)
(株)インテリジェンス ビジネスソリューションズ(IBS)のワークスタイル変革ディレクター。自身が母親の介護のためエンジニア部門の管理職として勤めていた会社を退職後、半導体メーカーでテレワークシステムを導入。介護をしながら業務に従事。 その後、鉄道系ICカード会社にて情報セキュリティ責任者に就任。女性支援会社を設立し代表取締役社長兼CEOを務め、2014年インテリジェンス ビジネスソリューションズに入社しディレクターに着任。ワークスタイル変革事業を立ち上げ、テレワークの普及に取り組んでいる。

テレワーク=在宅勤務ではない。テレワークの1つが在宅勤務!

— 最初に、テレワークとは何かを教えてください。

家田:ICT(Information and Communication Technology 情報通信技術)を活用した場所や時間にとらわれない働き方をテレワークといいます。でも、テレワークって日本で考えられた造語なんですね。海外では通用しません。

— テレワークは和製英語だったんですね!では、テレワークと在宅勤務はどう違うのでしょうか。同じものではないんですか?
資料-2
家田:
テレワークと在宅勤務を同じだと思っている方はけっこういます。でも同じではありません。テレワークには大きく分けて次の3つの働き方が含まれます。

●サテライトオフィス
●モバイルワーク
●在宅勤務

つまり、家で行う在宅勤務はテレワークの1つに過ぎないんです。

— そうだったんですね!テレワークを構成するその3つの働き方の1つめ、サテライトオフィスとは何でしょうか?

家田:本社から離れた場所でも仕事をできるようにネット環境を備えたオフィスのことです。

— では、2つめのモバイルワークとは何ですか?

家田:例えば、営業マンが出先から行う仕事がまず挙げられます。ファミレスや公共施設、さらにはカラオケボックスというパターンもあります(笑)。Web会議を第三者に漏れないような環境でやるにはカラオケボックスは最適なんですよ。
— なるほど!確かにセキュリティ的にはいいですね、密室なので。

家田:3つめの在宅勤務は…

— 在宅勤務はわかります!自宅で行う勤務ですね(笑)。

家田:その通りです(笑)。

— 「サテライトオフィス」「モバイルワーク」「在宅勤務」からなるテレワークの普及に取り組まれている家田さんは、いつからワークスタイルの変革に取り組み、どのようなお仕事をされているのでしょうか?

家田:インテリジェンス ビジネスソリューションズ(IBS)に私が入社した2014年からで、ワークスタイル変革に関する事業=テレワーク事業の立ち上げをIBSで行いました。
現在は、テレワークを活用して、企業のワークスタイルを変える仕事をしています。

ワークスタイルの変革に向けて、テレワーク導入の課題解決に取り組む!

ワークスタイル変革ディレクターとして、テレワーク導入の様々な企業をご支援されていると思いますが、テレワーク導入を検討する企業・導入後の企業にとって課題となっていることとは一体何でしょうか。
資料-5
家田:テレワークの最大の課題は「情報セキュリティの確保」、次に「労務管理」「社内制度づくり」「コミュニケーション」と続きます。

実際に私がテレワーク導入の支援をさせていただいた企業様からよく聞く声としては、「情報セキュリティ」が一番の課題であることはもちろんですが、最近ではPCのログを取得して労務管理が可能なツールも出ているため「労務管理」よりも「人事評価」の方が課題であると感じている企業様が多いのが現状です。

以下に代表的な課題を解決策ごとにまとめてみました。

「システムと教育が必要な課題」と「経営者の理解が必要な課題」の2つになります。

【システムと教育が必要な課題】
 ・情報セキュリティ
 ・コミュニケーション
 ・労務管理
 ・人事評価
【経営者の理解が必要な課題】
 ・テレワークの導入、運用コスト

2つめの「経営者の理解が必要な課題」であげている「テレワークの導入、運用コスト」については、上記のグラフ上では課題意識は他に比べ低いという結果になっていますが、実は、テレワーク導入には絶対に外せない課題です。この課題がクリアできない場合、テレワークを始めることができません。重要な課題であるからこそ、国からの助成金や補助の制度もあるのです。

— なるほど、「テレワークの導入・運用コスト」は大変重要なのですね。このお話しについては後半お伺いするとして、まず、最大の課題として伺った「情報セキュリティ」について、具体的にはどういうことでしょうか?

家田:機密情報や個人情報を扱う業務を自宅でやって大丈夫なのか?という課題
です。解決方法として、テレワークで使用するPCからのプリントアウトやスクリーンショットの制限、USB等の外部接続の無効化等で担保します。

また、個人情報保護法には漏洩による罰則があること、会社が機密としている情報を漏えいさせると不正競争防止法による罰則があることを教育し抑止する方法が多いですね。

そこで、企業としてはどこまでシステム上でセキュリティを担保するかを考えることを考える必要があります。

— 「労務管理」と「人事評価」はいかがでしょうか?
IMG_8389

今回お話をうかがった家田佳代子さん

家田:テレワークでの「労務管理」「人事評価」は、どちらも「不安感」が課題です。管理職側が抱く不安と、在宅勤務者が抱く不安の2つです。

【管理職側の不安】
 部下が本当に仕事をやってるのかという不安
【社員側の不安】
 仕事をしていないと思われていないか、ちゃんと評価されているのかという不安

管理職側も社員側もお互いに不安になって、テレワークの導入が失敗する事例もあります。

部下が会社で仕事をする時と在宅勤務の時、どの程度違いがあるかということを少し考えていただきたいのですが、常に座席に座ってする仕事でも、打合せや休憩で席を外すことはありますよね。

管理者はその都度スケジュールを確認はしないと思いますし、目の前の部下が、今、何の作業をしているのか、ということを随時把握はしていないですよね。出社をしていても、在宅勤務でも「顔が見えない」というだけで、変わらないことも多いのです。

ただ、異なる点でいうと声をかけたい時に話しかけることができる、表情を読み取れるといったところでしょうか。

このように在宅勤務に対する思い込みや不安解消に必要なのは、管理者側と在宅勤務者双方の意識改革とコミュニケーション改革なので、意識を変えるための教育をすることに合わせてツールを活用することで不安を払拭することは可能です。

–なるほど。会社に出社した場合でも管理者が部下の行動全てを把握しているわけではありませんね。解決方法は教育とツールということですが、どのようなツールを活用するのでしょうか?

家田:例えば、テレビ会議ソリューションのSkype for Business(Microsoft Lync)の画面上で、各メンバーのステータスを出す方法があり、今、何をやっているのかがわかるようになります。「会議中」「離席中」などという一覧が、部署全員分のステータスとして表示されるんです。

— なるほど!仕事をしていることを「見える化」するのですね。

家田:はい。さらにSkype for Business は、そもそも通話やテレビ会議の仕組みなので、コミュニケーションの課題も解決できます。

— おお〜!Skype for Businessの活用での不安の払拭以外にも「コミュニケーション」の課題も解決してしまうんですね。

家田:ただし、「労務管理」については、ルールやツールがない場合には完全に解決するのは難しいと思います。

私が所属するIBSでは、Skype for Business でステータスを見える化するだけではなく、在宅勤務の開始時にメールを部署全員に送るようにもしています。すると「この人は今日在宅勤務なんだな」と部署全員が知ることになりますよね。業務終了時にもメールを一斉配信するのですが、その後も仕事を続けている人がいたら…という問題は残ります。

以前、「Work Switch」でご紹介いただいた「労務可視化ツール」という管理者側が在宅勤務者のPCのログを見ることができるシステムを開発したのですが、この労務可視化ツールと先に記したアナログなメールでの報告等を掛け合わせることで「労務管理」の課題は解決することができます。

— そうなのですね。お話いただいた「情報セキュリティ」と「労務管理」「人事評価」「コミュニケーション」はシステムと意識改革などの教育で解決できることはわかりました。

続いて経営者の意識を変える「テレワークの導入、運用コスト」の課題について教えてください!

テレワーク導入時の「テレワークの導入、運用コスト」の課題は「テレワーク導入がお得」だと経営層を説得して解決するというお話から伺った【後編】へ続きます。

このトピックスをみんなとシェアする
このエントリーをはてなブックマークに追加
pixta_23415051_M

この記事が気に入ったら

Work Switchの最新情報をお届け