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ビジネスの現場6000社を見た藤野英人氏が贈る!仕事のストレスで潰れる前に読みたい「3つの心得」(後編)

2016.11.18

AAA_03182016年10月7日に厚生労働省が発表した調査によると、4割近くのビジネスパーソンが仕事でストレスを抱えているそうです。(出典:日本経済新聞「80時間超す残業、企業の2割 初の『過労死白書』」

そうしたストレス対して、私たちビジネスパーソンは一体どうすればいいのでしょうか。

投資業務の一貫で延べ6000社、6500人もの社長に会い、経済報道番組でのコメンテーターを務めるなど、ビジネスの現場に精通するレオス・キャピタルワークス社長兼最高投資責任者の藤野英人氏。その藤野氏に、職場で感じるストレスへの対処方法等を伺ったインタビュー後編。

前編では、「ストレスを単位化してやり過ごす方法」と「好き嫌いで判断することの大切さ」を伺いました。この後編では、「好き嫌い」を表に出すことがなぜ避けられるのかという背景から伺います。

藤野英人
レオス・キャピタルワークス社長兼最高投資責任者(CIO)。1966年生まれ。早稲田大学法学部卒。野村投資顧問(現 野村アセットマネジメント)、ジャーディンフレミング投信・投資顧問(現 JPモルガン・アセット・マネジメント)、ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントを経て、2003年レオス・キャピタルワークスを創業しCIOに就任。明治大学非常勤講師なども務める。著書に『ヤンキーの虎―新・ジモト経済の支配者たち』(東洋経済新報社)など多数。テレビ東京系「ワールドビジネスサテライト」などでコメンテーターも務める。

変化を歓迎する日本社会になればみんながもっとハッピーになれる!

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— 新人に退職の相談をされた時に、退職を思いとどまるように言ってしまうのはなぜでしょうか?

藤野:そう考えてしまう背景があるんです。「変化はよくない」という日本社会にある考え方です。「変わる」「移る」ということは凄くネガティブである、とみんなが思っている。「会社に入りました。でも、合わないので辞めます」と言ったら、悪いことだと言われます。

— 確かに、転職回数が多いと極端に評価が下がりますね。 本人が「好き嫌い」を優先し、周囲が「変わること」を受容できれば、仕事で思い悩んで袋小路に陥る新人も減るのでしょうか?

藤野:新人、あるいは新人に限らず仕事やキャリアで思い悩むビジネスパーソンが心得るべきことは、「もっと好き嫌いで決めていいんだよ」「変化することを是としよう」ということ。会社が好きなら頑張って働こう。逆に、会社が嫌なら辞める。そういう選択を受け入れる事が大切です。

— 「すぐやる!すぐやめる!」とは、そういう書名のビジネス書も発売されるなどビジネスの王道と思いきや、すぐ「辞める」のハードルは高いですね。

藤野:随分昔の話になりますが、貴乃花関と宮沢りえさんが婚約して、その後婚約破棄しましたよね。二人は随分バッシングされました。というのも、貴乃花関が婚約破棄の理由として「愛情がなくなりました」と言ったから。

でも、これは正しいんです。

好きではないのに結婚することはない。婚約を維持することが目的ではないんですから。

「一時の感情でやめるなんて変だ」という当時のバッシングこそ変だったし、あの騒動で宮沢りえさんも凄く傷ついたでしょう。

とにかく、変化することが悪であるというのではなく、変化することをもっと日本社会は受け入れようよ、ということ。変化が歓迎されていれば、ストレスを溜め込んで新人が苦しむこともなくなるでしょうね。

【心得3】人への優しさや感謝の表現を普段から実践すべし!

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— これまで「ストレスは単位化してやり過ごす」「会社や働き方への好き嫌いをはっきりさせる」という2つの心得をお伺いしましたが、3つ目の心得るべきこととは何でしょう?

藤野:「人への優しさ・感謝を表す」ことです。

— どういう事でしょうか?

藤野:例えばコンビニで買い物をしたり、居酒屋で会計をするときに「ありがとう」と言うようにすることが、働くみんなにとって日本を良くする第1歩になると私は考えています。

自分がお客さんとなっている時に「ありがとう」という人は本当に少ない。コンビニで買い物をしている時に「ありがとう」という人はほとんどいませんよね? お客さんはだいたい無言で商品やお釣りを受け取っている。

「お客さんが物凄く偉い。売り手の地位は物凄く低い」という状態です。

— それは様々な業界に当てはまりますね。

藤野:ええ。いろいろな業界に存在している売り手の地位の低さが、皆さんが働く時のストレスを引き起こしているんです。特に、ブラック消費者ともいえるハードクレーマーが、過酷な仕事現場を生んでいるでしょうね。

— 確かにハードクレーマーの対応で、メンタルのダメージだけではなく、業務量がさらに増えがちです。

藤野:そうですね。心も体も傷つきます。逆に、お客さんから「ありがとう」と言われたり、仲間から「キミ、頑張っているね」と言われていれば救われます。

自分がお客さんとなる時に、商品やサービスを提供している人に対してリスペクトがあるかないかは本当に大事です。

— 働いていて「ありがとう」とたくさん言われたら確かに楽しくなりますよね!

藤野:そうした動きが広がれば「働くこと」がもっと楽しくなるはずです。これは新人も、新人ではないビジネスパーソンの皆さんも同じ。皆さん自身がブラック消費者ではなくホワイト消費者になってほしいですね。

— 感謝や優しさをしっかり備えたビジネスパーソンになるためにできることはありますか?

藤野:そのためには読書が効果的だと思います。私は、小学生から高校3年にかけて、親から与えられたトルストイやロマン・ロランの本など世界の名著200冊を何度も繰り返し読みました。

本には、人間の営みが書いてあります。美しいところも汚いところも。例えば、志賀直哉の『暗夜行路』なんてエグい小説です。男女の営みが多方面で出てくる。嫉妬も不倫もでてくるのです。

— 小学生にとっては驚きですよね!

藤野:現実体験はないけれども、本を通じて仮想体験をたくさんすることができる。その後、実体験が伴ってくると、本で得た仮想体験と掛け合わさって優しさや人に対する愛が生まれてきます。だから必要な時に必要な本を読むことは本当に大切なんです。

「人間とは?」「人とはなにが動機で動くのか?」ということに対する考察ができるようになりますから。

— 優しさや人に対する愛が生まれるのですね?

藤野:その優しさや人に対する愛がビジネスの現場も変えていくという意味で、遠回りのように思えても読書を実践してみるのもいいかと思います。

— 「仕事で感じるストレスは単位に換算してやり過ごす」。「好き嫌い」で判断して「嫌だ」と思ったら職場や働き方を変えても良い。自分がお客さんになったら「ありがとう」と言う。ストレスを緩和する対処法として教えていただいた3つの心得は、どれも今日からすぐに実践できますね。本日はありがとうございました!

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