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あなたのキャリアのタグを増やそう。「スラッシュキャリア」のススメ

2016.03.22

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もうすぐ3月も終わり。全国各地の大学で卒業式が執り行われている様子が、FacebookやTwitterから伝わってきます。

4月には、全国で約40万人もの人が入社式を迎え、新社会人になります。入社式では社長や役員、人事部長からのスピーチがあるのが通例ですが、そこでよく使われるネタが「就職と結婚は同じ」という比喩です。

曰く、就職活動はお見合い結婚のようなもので、就職してからお互いを理解しあい、尊重しあって互いに高めあい、成長してゆくことが大切だというスピーチですね。とても言い得て妙な、良いたとえ話だと思います。結婚はおろかお見合いも経験したことのない新社会人に伝わるかどうかはさておき。

就職を結婚にたとえる時代は終わりを告げようとしている

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しかしながら、就職をお見合い結婚にたとえたスピーチは、恐らく新入社員の心には刺さらないでしょう。一生、その会社に添い遂げようという熱意を持って入社を決めた人は恐らく少数だからです。

「3年3割」(大卒新入社員の3割は3年以内に離職する)は既に使い古された表現ですし、「企業の99.98%がこの30年以内に消える」自分が望む望まないに関わらず、新卒で入った会社で一生働き続けるのはもはや不可能な時代に突入しています。

ただ、大変残念なことにこうした社会構造の変化に、世の中の仕組みが対応しきれていないのが現状です。

例えば、副業禁止規定。

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高度経済成長期においては、個人のキャリアの「選択と集中」を仕組み化した副業禁止規定は、日本経済というマクロ的観点でも、個々人の生活基盤の安定というミクロ的観点でも、極めて有効に機能していたと言えます。しかし、バブル崩壊後、失われた10年とも20年とも言われる低成長時代に突入した現代において、副業禁止規定は「負の遺産」と言うほかありません。

一方で、個人の意識は着実に変わりつつあります。エンジャパンの調査によれば、ミドル層ですら「本業一本で定年まで勤め上げたい」と言う人はわずか14%にとどまり、58%もの人がパラレルキャリア(本業を持ちながら別の仕事を持つ働き方)を実践したいと回答しています。

ただ、半数以上もの人が「パラレルキャリアを実践したい」と回答しているにもかかわらず、実際に実践しているのは26%にとどまります。このギャップは一体どこから生まれてくるのでしょうか?

パラレルキャリアに興味はあるけれど、やり方がわからない。

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パラレルキャリアに興味がある人のうち、実際にパラレルキャリアを実践できている人が半数以下にとどまる理由。その理由は一体どこにあるのでしょうか。

その一つに「副業禁止規定」は間違いなくあるでしょう。会社から明示的に「副業ダメよ」と言われていたら、なかなかやりにくいものです。だから、副業禁止規定という負の遺産は早いところ撤廃すべきだと思っています。

一方で、副業禁止規定よりもさらに大きな要因があることも間違いないでしょう。それが「やり方がわからない」「そもそもやりたいことが定まっていない」というケースです。

H型人材に近づく、スラッシュキャリアのススメ。

パラレルキャリア実践に向けて、まずは何からはじめたら良いのでしょうか。その発想を得るために役立つコンセプトの一つに「スラッシュキャリア」という考え方があります。

「スラッシュキャリア」とは、弁護士/ジャーナリスト、コーダー/キャリアコンサルタント、HR/データサイエンティストなど、異なる専門性をかけ合わせて、唯一無二性が高く、市場価値や希少性の高いキャリア構築を指します。

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コーチングの神様・マーシャル・ゴールドスミスらが提唱する概念で、日本ではまだあまり認知されていない(ググってもほとんどヒットしない)ですが、その考え方は何となく理解できるでしょう。

これからの時代に求められるのは「T型ではなくH型の人材」というスローガンにピンと来る方は、すぐに理解できるコンセプトでしょう。すなわち、一つの専門性を深め、他の分野とつなぎ合わせてゆくT型人材よりも、二つ以上の異なる専門性を持ち、それらを組み合わせて新しい価値を生み出せるH型人材の方が市場価値が高い、という時代において、それを具体化したキャリア構築のコンセプトとして、スラッシュキャリアは非常に有用である、ということなんです。

キャリアタグを増やすと、市場価値が一気に高まる。

どんな仕事をしていても、必ず何かしらの専門性は身についているはずです。例えば、IT業界の人事担当であれば、IT/HRという2つのタグがつけられますし、食品メーカーのマーケティング担当ならば、食品/マーケという2つのタグがつけられます。

ただし、これだけではキャリアとしては「弱い」です。なぜなら、同じタグを持っている人は世の中にごまんと存在するからです。では、一体どうしたらより市場価値の高い、食いっぱぐれない人材になれるのでしょうか?担当業務の専門性をより高めること。それも確かに必要でしょうが、それだけでは不十分。

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一番の近道は「市場から求められているが、まだ保有している人が少ないキャリアタグ・スキルタグを獲得する」ことです。例えば、あなたがIT業界の人事担当だとしましょう。現時点でのキャリアタグはIT/HRです。

今世の中に求められていて、かつHRに活かせそうなタグは何でしょうか?例えば、以下のようなタグが考えられます。

データ分析
UI/UXデザイン
コーディング
編集・ライティング
Webマーケティング
ブランディング
パッと考えられるだけでも上記のようなタグが考えられます。これらのうち一つだけでも極めて使いこなせるようになるだけで、非常に市場価値の高い人材になれます。
IT/HR/Webマーケティング
IT/HR/データ分析

いかがでしょうか?非常に魅力的な人材に写りますよね。少なくとも、スキルセット的には。

今日からはじめる、スラッシュキャリアはじめの一歩。

では、こうして新しいスキルタグを身につけるにはどうしたら良いのでしょうか。上記にあげたキャリアタグを満遍なく実践的に学ぶ方法としてオススメなのが、「自分メディア」をつくり、発信することです。

MediumでもnoteでもはてなブログでもWordPressでも、プラットフォームは何でも良いのですが、できればオススメなのが「自分でドメインを取得して、自分だけのWebメディアをつくる」ことです。

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例えば僕は3年前、人材紹介会社の法人営業をやっていた際、仕事の延長線上にはない、非連続なスキルを身につけたいと思い、「Now or Never」という、自分が大事にしている価値観をメディア名に冠した「自分メディア」を立ち上げました。

そこで精力的に自分が注目しているWebサービスやアプリ、ライフハックなどを発信し続けた結果、最大月間30万PVのメディアとなり、その後はじめたNewsPicksというニュースアプリではフォロワーが4.5万人を超えるなど、プチインフルエンサー的なポジションをつくることに成功しました。

参考までに僕自身のキャリアタグはこんなイメージです。

HR/IT/Web/法人営業/人事/採用/リファラル採用/Webマーケティング/商品企画/コンテンツマーケティング/BtoBマーケティング/コミュニティマネージメント/編集/ライティング/ブランディング/アライアンス/マネタイズ/NPO/起業/経営/学生パパ/子持ち就活/20代で3児の父/PTA役員/サッカーチームのコーチ/確定申告etc

などなど、後半にいくに従ってプライベート性が増しますが、プライベートなタグが思わぬ形でビジネスに結びつくこともあるので、アンテナは広めに張っておくことをオススメします。

あなたはどんなキャリアタグに興味がありますか?もしくは、どんなキャリアタグをつけたら、より市場価値の高い人材になれそうですか?スラッシュキャリアは、今日から始められます。まずは小さくても大きな一歩を踏み出してみましょう。

(文:西村創一朗/HARES代表)

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