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リモートワークでもチームの一体感を実現!分身ロボットOriHime開発者に訊く異次元の遠隔出社

2016.10.17

eyeCatchPh2nd_b分身ロボットでリモートワーク。

そう聞くと、リモートワークになぜロボットが必要なのかさっぱりわからないという方もいらっしゃるかもしれません。しかし、リモートワークがうまく機能しない欠点を、このロボットが解決してくれます。

その欠点とは「孤立感」。

多くの仕事は、自分1人ではなくチームワークで成し遂げます。ところが、通常のリモートワークではその肝心のチームの一体感が得にくいのが現実。そうした「リモートワークによる孤独感」を解決するのが、2016年9月1日に発表された分身ロボットOriHime Bizです。

ビジネス向けではないオリジナルのOriHime が2015年7月7日にレンタル形式でリリース。それから1年ほどでリモートワーク用のOriHime Biz が登場した背景。OriHime Bizを実際に業務で用いたことによる効果などを、OriHime Bizを開発した株式会社オリィ研究所代表の吉藤オリィさんに伺います。

OriHime はパントマイムとテクノロジーの融合で生まれた!

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— オリィさんがロボット開発を始めたきっかけはなんですか?

吉藤:中学2年生のときに出場したロボットの大会で、この人と一緒にものづくりがしたいと思った先生に出会ったこと。奈良県の工業高校の先生をされていた方なんですが、それがモチベーションとなって、先生のいる高校に行きました。この人こそ私の師匠に違いないと確信したのです。

— その時以来、ロボット一筋なわけですね。オリィさんがロボット開発に惹かれた理由は何なのでしょう?

吉藤:ロボット開発で、私が本当にやりたいのは今も昔も「孤独の解消」です。そこには、工学的なことだけではなく「コミュニケーションとは何か」という答えと私なりの解釈が必要です。そこで、パントマイムを研究したりもしました。

— コミュニケーション研究のためにパントマイムですか!?

吉藤:パントマイムを研究することで、「感じる」ということを演出できると思ったんです。感じる事はコミュニケーションには重要です。例えばパントマイムだったら、ここに壁があるように感じますよね。
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そうしたパントマイムなどの研究を踏まえて、OriHimeにつながる分身ロボットを作りはじめました。そうして、2015年7月7日にBizではないオリジナル版のOriHimeをレンタル形式でリリースしたのです。

— ちなみに、ロボットの名前をOriHime にした理由は何でしょうか?

吉藤:OriHimeの名前の由来は、織姫と彦星からとっています。遠く離れた人が会いたい、コミュニケーションをとりたいというコンセプトに馴染みやすいのではないかと思ったからです。

OriHimeを自社でも業務に活用できた実績を踏まえてOriHime Bizをリリース

— OriHime Bizがオフィスに導入されると実際、どんな変化があるのでしょう?

吉藤:実はですね。この取材の冒頭からBizではないオリジナル版ではありますがOriHimeが参加しています(笑)。私の隣にいるOriHimeです。
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— おお!手を上げて挨拶してますね!びっくりしました。どこかでリモートなさっている方がいらっしゃるんですか?

吉藤:私の秘書・番田がOriHimeとなってリモートで今回の取材に参加しています。番田君、簡単に自己紹介をしてもらっていいかな。

番田:はじめまして。OriHimeとOriHime Bizを開発しているオリィ研究所に岩手県から東京へリモート出社をしています番田と申します。

— よろしくお願いします。取材の日程調整ではお世話になりました。OriHime が手をふる動き、可愛いですね!

番田:そうですよね!でも実は、子どもの頃から多くの時間を入院という形で私は過ごしてきました。今も、病室から呼吸器をつけた状態ですがOriHime でインタビューに参加しています。

— OriHime経由だとそういう雰囲気はまるで感じません。

吉藤:そうです。でも、ビデオ通話でのリモートワークだとそうはいきません。それはなぜか。ビデオ通話をするリモートワーカーの背景に映っている余計な情報が影響を与えてしまうからです。

番田君の場合だと、社員という情報ではなく「入院して、呼吸器つけている寝たきりの人だ」といった余計な情報があるゆえに、余計なことをついつい考えてしまうじゃないですか。

そういう余計な情報に違和感を感じてしまうんですよね。人は、重要な情報よりも、違和感のある情報に目を奪われてしまいがちなんです。

— オフィス空間にはない、異なる情報に目がいってしまう、と?

吉藤:リモートワークをうまく行うためにも、オフィスと異なる情報を与えないというのが極めて重要です。

番田:吉藤さん、割り込まないでください〜(笑)。

吉藤:ごめんごめん、番田くん(笑)。

番田:先程の自己紹介の続きですが、入院での孤独を感じて過ごしているときに、オリィ研究所の吉藤とつながりました。それまで学校に通うこともなかったですし、人との関わりがずっとないなか暮らしてきたので、今、OriHimeをとおして参加することによって、いろいろなことを経験、体験をしている最中という感じです。

— おお!吉藤さんにツッコミを入れるときに、OriHimeはツッコミ風のポーズも取るんですね。操作はどのようにやるのでしょうか?

番田:わたしはパソコンからオリジナル版のOriHimeを操作しています。ですがOriHime Bizは通常、スマホやタブレットから操作します。こちらのYouTube動画でOriHime が動く様子とiPadでの操作方法をご覧いただけます。

— OriHimeはフリック操作で動きを、ボタンをタップすることで感情表現のジェスチャーができるんですね。カンタンに使えそうです!このように、オリジナル版OriHimeを業務に活用している番田さんの活躍から、リモートワークツールとしてのOriHime Bizは生まれたのですか?

吉藤:そうです。オリジナル版のOriHimeで番田は仕事をしてきました。2013年の12月に彼からメッセージが来て以来、開発中だったOriHimeで岩手からリモートで仕事をしてもらっています。こうした実績を踏まえてリモートワークに特化したOriHime Bizを開発しました。

— OriHime BizとOriHimeの違いはなんでしょうか

吉藤:OriHime本体は同じです。ソフトウエア面でOriHime Bizには次の特徴があります。

・リモートワーカー側だけでなく、管理者アカウントからも、OriHimeの管理や設定変更が可能
・OriHimeに接続できる時間を事前に決められるスケジュール管理
・離席モードなど在宅ワークで便利な機能

— まさにビジネス用途に使える感じがします!

OriHimeならオフィスに常に存在している感覚がある!そこが他のリモートワークツールとの違い

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— 秘書の番田さんは、OriHimeによる出社をフルタイムでなさっているのですか?

吉藤:ええ。今や、朝礼から参加してこのインタビューが行われている夜8時に至るまで出社してます。OriHimeでずっと勤務することで、みんながそこに集まっている感覚が生まれます。リモートワークでも、同じチームという感じが生まれるわけです。

— 会社にきていないリモートワークメンバーの存在を忘れてしまう普通のリモートワークとは大違いですね。

吉藤:Skypeだと、用がないと呼び出さないし、用がなくなったら通話を切りますよね。人の顔を映してずっと仕事なんかできないですし。でも、家事育児で忙しくて化粧してなくても、部屋着のままでも、ぐずっている子どもをあやしながらでもOriHime Bizならば仕事が出来ます。

— おお!子どもがいる主婦にとってのリモートワークの課題として、ビデオ会議中に子どもが駄々をこね初めて困るという話を聞きます。

吉藤:子どもがいることによる生活音がオフィスに流されますからね。ビデオ通話で、お互いの顔を見てじっくり話すというのは仕事ではあまり本質的な価値ではありません。オフィスで一緒にいるときでも、あまり顔を見ないものですから。

一緒にいる感覚を演出するならば、テレビ電話よりはるかにロボットのカタチ、人のカタチをしているほうが適しています。そこに人間を投影すると、そこに居るように感じる。余計な情報を与えずに、あとは見ている間の想像力に任せるほうが適しているのです。

— 一緒にいる感覚を出せて、チームメンバーでの一体感が生み出せる。既存のリモートワークツールとOriHime Bizの決定的な違いはそれですか?

吉藤:そうです。チームワークとか自分の役割を自覚して、ここは俺が任されてるなと感じられたり、気になる話題が聞こえてきたら「ん、何その話?」「それ俺もさ、聞きたかったんだよ」って気軽に入っていけることは、現状のリモートワークツールではできません。

Skypeとか用のあるときにだけ使うコミュニケーションでは、そこにいる感覚をだせないのです。この問題を解消したのが、OriHimeというわけです。

電気や水道と同じように、OriHime Bizが人の手を供給するインフラとなってみんなが助け合える社会を作る!
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— 今後の働き方もOriHime Bizの登場でけっこう変わってくるのかなという予感がします。OriHime Bizで変わる、今後の働き方の未来像について教えてください。

吉藤:業務の効率化とは違った未来を考えています。

例えば、高い能力を持っている人がいる。すごくいい経験を積み重ねてこられた方がいる。しかし、そういった方々の中には、家庭の事情や障がいなど何かしらの原因で今の段階では働くことができない人たちがいます。

もう一回働いてみよう、まだ俺は働けるという自覚や実感をしっかりと描ける未来を作りたいと思うのです。働くことで誰かの役に立ち、他人から「ありがとう」といってもらえる未来です。

— それって素敵ですね!

吉藤:そうした働き方を叶えるツールがこれまでなかっただけなんです。OriHimeというロボットがいろいろなオフィスに置いてあるようになれば、家庭の事情や障がいも何の問題にもならなくなって働けますよね。OriHimeをあっちこっちに置くことで、人の手を供給するインフラができるのです。

— 人の手を供給する?

吉藤:今当たり前のように、パソコンやスマホが各個人に供給されて働き方が変わりました。次はOriHimeで、必要な時に必要な人手をあらゆる職場に供給できるようにしたいと思っています。

— 面白い考え方ですね!

吉藤: 例えば家にいてお医者さんが家に駆けつけてくるのは難しいですが、OriHimeによって、その場にずっといるお医者さんが問診をしてくれることはできるようになります。あるいは家庭教師を呼ぼうとしても、優秀な家庭教師をわざわざ遠くから人を招かなくても、OriHimeがずっと勉強をみてくれたり。

招くことができないときに、時間を持て余している人の時間を有益に使って助け合えるような世界をOriHimeなら実現できると考えています。

— 会社勤めだけではなく、フリーランスなどあらゆる人の働き方がOriHime Bizによって変わるのですね。今日の番田さんのOriHimeによる取材への参加をリアルに体験できてよかったです。本日はありがとうございました!

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