motivation_top

まだ「社員のモチベーション」のせいにしてるの? 「意識改革」が失敗する3つの理由  

2017.04.27

motivation_top
 
思ったような成果が挙がらない、チームワークが今ひとつ機能していない、社内の雰囲気があまりよくない……こうした部分を問題視し、「意識改革」に乗り出す企業は少なくありません。しかし、「取り組んだものの思ったような成果に繋がらない」と思う方も多いのではないでしょうか?
 
そもそも人の内面を外的な働きかけで変えることは、容易ではありません。また、「意識の問題」で業績が下がっていると特定できているならまだしも、そうでないケースの場合は悲惨。「真の問題点ではない部分にひたすら無意味なコストを使う」ということにもなりかねません。
 
そこで今回は、「意識改革」が失敗する会社にありがちな社内コミュニケーションを、架空の会話を用いて紹介。どのようなアプローチで臨めば良いかを紹介させていただきます。

motivation_001
 

■ケース(1)過負荷が野放しになっている

上長「最近、遅刻気味だな」
 
社員「すみません、昨日もあまり眠れなくて(そりゃ、朝3時までかけて連日資料を作れば眠れないよ……)」
 
上長「たるんでるな。社会人にとって時間を守るのは当たり前のことだと思わないか」
 
社員「えっ、あ、はい、そのとおりです……(そりゃ良くないってわかってるけど……)」
 
上長「キミには期待をしているんだから、社内に示しがつかない行動は困るよ。意識を入れ替えてほしいね」
 
社員「はい、すみません……(じゃあ、毎日何時間も残業する環境をどうにかしてくれよ、オレ以外にこの仕事を満足にこなせる人間いないじゃないか……)」
 
 
社会人にとって遅刻が問題であることは、言うまでもないこと。一方で、終業時間を超えてなお仕事をすること、朝までかかるような業務実態が常態化していることは問題視されず、「遅刻」という結果のみ問題視されている感は否めません。
 
社員からしてみれば、「確かに遅刻は問題だけど、負荷に気を配らない会社はどうなんだよ?」と文句の一言もいいたくなるはず。こうした状況で社員の意識だけを問題視しても、根本的な解決にならないのは明らかでしょう。

motivation_002

■2)会社の長期戦略が見えない(≒将来性に不安)

社員「最近の離職者が増加している件ですが、非公式にヒアリングした結果『会社の方向性がブレている』『将来性が不安』という意見が多く聞かれます」
 
上長「そうか」
 
社員「実際、大きな方向性が明示されなければ、現場としても舵取りが難しいケースが多々あります」
 
上長「わかった、善処しよう。ただ、それよりも先に取り組む問題があるはずだ。例えば、この部署のコスト意識はどうなんだ? もっと削れる部分あるだろうに」
 
社員「えっ、あ、はい(確かにコストは高いけど、それだけのパフォーマンスを要求されてるんだから仕方ない部分もあるのでは……)」
 
上長「方向性云々については、上にあげておく。まずは喫緊の課題に取り組んでくれ」
 
社員「はい、了解しました(本当に方向性を明示してくれるのだろうか……)」
 
このケースは「すでに離職した元社員、離職が決まっている現社員に対して非公式にヒアリングをした結果、『会社の方向性が見えない』という意見が多く集まった」という事実があり、にも関わらず上長は「それほど優先的な課題として捉えていない」というケースです。 
 
こうしたケースでは、社員は「棚上げされたな」という感想をどうしても持ってしまうでしょう。実際の退職事由に挙がっているものについてアプローチできないというのは、不安が拭えません。こうした状況で自分の意識を変えるのも限界があります。

motivation_003

■3)上長が模範を示していない

上長「では、この案件については10%~20%ほどコストカットをしてくれ」
 
社員「承知しました。ただ、先月のパフォーマンスを出すにはそのコストでは難しいです。外注業者のアサインにも苦労すると思います」
 
上長「そこは何とかしてくれ」
 
社員「何とかと言われましても……何か良いアイデアはないでしょうか」
 
上長「こちらはすべての現場を見る余裕はない、そちらで知恵を絞ってもらえないか」
 
社員「……わかりました(『コストカットしろ』だけ言うって楽な仕事だよな)」
 
 
コストカットを迫られ、かつ「パフォーマンスは落とすな」と言われているケースです。ありふれたケースだと思いますが、こうした状況で社員にできることは限られています。

上長がアイデアを出すことが難しいのもよくありますが、「コストカットしながらパフォーマンスは維持せよ」という注文は現場に負荷がかかります。その負荷を通そうというのであれば、納得感がほしいところ。そこで、上長が模範を示してコストカットをしている姿を示すなら、少しは納得感が違うのではないでしょうか。
motivation_004

■社員に意識改革を迫る前に、やるべきこと

『エン 人事のミカタ』の調査によると、建前ではない本当の退職理由の上位に挙がってくる理由は以下のものだそうです。
 

http://partners.en-japan.com/qanda/desc_600/

人間関係:25.8%
社風や風土:18.4%
仕事内容:16.3%
給与:12.3%
待遇:9.8%
評価:4.1%
家庭の事情:2.7%
体調の問題:2.5%
その他:8.1%

 
紹介した3つの会話の中には、上記の中の「人間関係」「社風や風土」「仕事内容」「待遇」といずれの要素も入っていることがおわかりいただけると思います。退職理由に繋がりうる要因が放置されているにもかかわらず、社員の意識だけを問題視し「意識改革」を迫ることは表層的な対策だといえるでしょう。
 
『割れ鍋に綴じ蓋』ということわざもあります、どんなに高性能な蓋を用意したところで鍋の底が割れて水が漏れているなら意味がありません。意識改革を迫る前に、以下のような点を考えてみるのも悪くありません。
 

・社員に適切なサポートはなされているか?
・社員に適切な待遇は用意されているか?
・能力に適した配置が行われているか?
・適切な業務量になっているか? 
・社員のスキルを伸ばせる環境か?
・ワークライフバランスが望める環境か?
・会社としてのビジョンは明確か?
・経営陣は社員に信頼されているか? 
・会社の将来性に不確かな部分は多くないか?
etc…

 
故事成語にも「隗より始めよ」という言葉があります。「自分の考えの実行を誰かに求めるのであれば、まず自分が率先して示せ」という意味です。意識改革を求めるのであれば、まずは上層部が率先して示すことで、初めて社員に伝わるのではないでしょうか。

<了>

このトピックスをみんなとシェアする
このエントリーをはてなブックマークに追加
motivation_top

この記事が気に入ったら

Work Switchの最新情報をお届け



Follow on twitter