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ワーママ必見! 育児×キャリア両立の秘訣は「ヨコへの共有」にあり

2017.01.31

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「自分らしく働くコツは?」WorkSwitchでは様々な方にこの質問をぶつけてきました。今回ご登場いただくのは、東京都内のヘルスケアとITの融合を目指した新規事業を展開する『エムスリーマーケティング』社に勤務する、船木真衣子(ふなき・まいこ)さんです。

船木さんは、これまでこういうキャリアを辿ってきました。

●大学卒業後、大手外資系製薬会社で医薬情報担当者(MR)として勤務
●妊娠出産後、育休中にプログラミングを身につける
●ITスタートアップのイベントに参加し、プロダクト開発を経験
●復職後、エムスリーマーケティング株式会社に転職

育休中にプログラミングを勉強し、プロダクト開発まで経験したことが、彼女のキャリアにとって大きな転機となっていることがわかります。とはいえ、育児とキャリアアップを両立させることは、男性でもなかなか容易ではありません。まして、出産後の女性となればその難しさは一層強くなります。

そんな中、船木さんは自分らしく働く環境を実現しているように見えました。いったい、どのようにハンドリングしているのでしょうか? さっそくご覧ください。

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■「自分の代わりはいる」という危機感

――まずは前職の仕事内容について教えてください。

船木 医薬情報担当者(Medical Representative、以下MR)、
製薬会社に所属する営業職です。職務は医薬品の適正使用のため、医療従事者に対して医薬品の品質、有効性、安全性などに関する情報の提供、収集、伝達を行うこと。担当エリアにおける売り上げを最大化する、営業職としての役割も担っています。

――転職後の現在はどういったお仕事を?

船木 現在は、メディカルマーケター(以下、MM)として勤務しています。前職では、フロントの営業部分だけ担当していました。MMは、製薬会社のマーケティング本部をクライアントとし、戦略の立案に携わり、マーケティングから実行に至るまでのプロセスの全てを担っています。

――前職の育休中、アプリ開発のスキルを身につけられたということですね。どのような動機があったのですか?

船木 「プロダクト営業なので、自分の代わりはいくらでもいる」という危機感がありました。転職市場で自分の価値について、漠然とした不安がありました。そんな折、出産や主人の異動というライフイベントに直面し、自分には確固たるものがないと気づかされました。何があれば市場価値を上げられるのかをゼロベースでリサーチしたところ、ITスキルを持った人材の供給が需要の割に少ないというデータを見つけたのです。

――出産後に、学校に通われたのですね。

船木 そうです。子どもを育てながら、リモート受講可能なスクールがあることを知り、2カ月間のコースに入りました。子どもが寝たタイミングでPCの画面を講師と共有し、スカイプで1対1で教えてもらえます。学んだのはウェブアプリの作成です。実際にローンチするまでは行きませんでしたが、子育ての間のすきま時間を、うまく活用できたのがよかったと思います。

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■起業イベントへ参加し“開眼”

――ウェブアプリの開発スキルを身につけられた後、ITスタートアップ向けの週末限定起業イベントに参加されたそうですね。

船木 Startup Weekendというイベントに参加しました。それほどテクノロジーに特化していないハッカソンという感じでした。産後3カ月目からアプリの勉強を始め、5カ月目で勉強を終えました。その講座が終わる直前に参加したのです。

実際にプロダクト開発に携わる体験が、テクノロジーをグッと身近に感じる契機となったんです。そして「テクノロジーとヘルスケアとを掛け合わせれば、イノベーションを起こせる」と考えました。

――Startup Weekendに参加されて、キャリアの考え方も変わりましたか?

船木 変わりましたね。Startup Weekend の3日間で、初めて出会ったメンバーとのチームビルディングから、サービスのローンチまでを3日間でやり遂げました。今まで経験したことのないスピード感、ゼロイチを行なうワクワク感に魅了されました。そこで「もっと志の高い仲間と働きたい」「テクノロジーの力で世の中に新しい価値を生み出したい」「より成長できる場へ行きたい」と考えるようになりました。

――それで、転職を考え始めたのですね?

船木 いえ、育休中の身だったので、会社に戻りました。ただ、出来上がった製品を決まった顧客に販売するMR業務に物足りなさを感じるようになりました。MRという職の歴史は長く、ある程度研究されていますから。あまり創造の余地がなく、面白いとは思えなくなっていって。そんな時にエムスリーマーケティングでのMMという仕事を知りました。

――現在の、エムスリーマーケティングに入られてアプリ開発の経験や、スタートアップのイベントに参加した経験は活きていますか?

船木 社内にエンジニアがいるので、自分でコードを書くことはありません。けれど、エンジニアさんと話をするときにウェブ開発の知識があると、お互いコミュニケーションが楽だと感じますね。現在携わっているのは、メンバーが10数名程度の新規事業です。勝ちパターンがない中で、みんなが日々手探り。「目標はこれ。前例はないので、みんなで考えながらやっていこう。」といったように、とにかくアクションを重ねPDCAを回し続けます。Startup Weekendで体験したゼロイチを生み出す体験に通じるものがあります。

意思決定のスピードも半端ないですね。アイディアが浮かんだら、即行動に移します。例えば、今まで文章で医師さんに送っていたコンテンツに「動画を入れてみたら?」という提案がありました。「じゃあ、やってみようか」と、すぐにやることになって、その日の夜には撮影です(笑)。ベンチャーならではのスピード感の中で試行錯誤しているとき、製薬業界におけるeプロモーションの最前線にいることを実感します。

――アプリ開発の勉強とStartup Weekendのハッカソン参加の両方が今の仕事に活きているんですね?

船木 そうですね。求められるレベルが高いため常に必死ですが、その分スキルが身についている実感があります。例えば、マーケティング能力やデータ分析など、今までやったことがなかった業務で、能力の振れ幅が広がっていると実感しています。

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■周囲(ヨコ)に目標を共有せよ!

――ベンチャー企業で仕事をしながら育児を両立させるには、旦那さんの協力が不可欠だと思います。どのように分担されていますか?

船木 育休からの復職時に主人が提案してくれた、家庭内プロジェクト管理シートをもとに、日々摺合せを行っています。

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家事・育児に関するタスクはエクセル上で管理し、主人と家事・育児を分担しています。子どもが熱をだしたときなどのバックアッププランも可視化されているんですよ。例えばこんな感じです。

【1】子どもを保育園に預けられない時
 《病時》複数のバックアッププランを用意
 a.登録している3箇所の病児保育での空きを確認する
 b.ファミリーサポートセンターからシッターの派遣を依頼する
 c.主人と交互に午前休/午後休を取得し、アポイント等に対応する
 d.都内在住の身内に依頼する

 《学級閉鎖等》上記のb、c、dを検討

――緻密ですね! その他のバックアッププランはありますか?

船木 はい。リモートワークを月1~2回のペースで行っています。たとえば子どもが熱を出したときには、子どもを病時保育に預けて自宅で仕事をします。普段の保育園は20時まで預かってもらえますが、病時保育は18時まで。職場からだと18時には間に合いませんので、午前休・午後休・リモートワークを活用しています。資料やデータもサーバー上にありますので、リモートワークでも仕事のやり方が変わらないのがいいですね。95%の仕事は家でもできます。

――2016年には、夫の助けを得られず妻が育児すべてを行なう「ワンオペ育児」という言葉も登場しました。そこからすると、船木さんのご家庭は仕事も育児も上手く回っているように思います。

船木 いえいえ。ギリギリで回しているので慢性的に大変です(笑)。病児保育が空いていない時や、私や主人が体調を崩した場合は破綻しそうになります。両親も遠方ですし、主人もベンチャー企業に勤務していて、時間もありません。私自身も、独身時代のようにすべてのリソースを仕事に突っ込むわけにはいかず、もどかしい思いをすることも多いですよ。

けれど、仕事では「この案件はやりきりたい」育児では「ここだけは譲れない」という優先順位をつけて夫婦で共有し、できるだけお互いサポートし合える環境を作って乗り越えていきたいと思います。

――そんなバランスを取りながら働いている船木さんにとって、「自分らしく働く」とは?

船木 長期的なキャリア戦略に基づいて能力や体験を縦に積み上げること、横に現状や目標を共有しておくことだと思います。縦とは「あるべき姿」や「こうなりたい」という目標を常に意識して、ITスキルやマーケティング能力、戦略立案能力を身に着けることです。

横に目標を伝えるというのは、家族・同僚といった周囲の人たちに自分の目標を共有し、協力を得ていくことです。「家庭内プロジェクト管理シート」で夫婦が協力しているのがその例でしょうね。この縦と横を意識していけば、「自分らしく働ける」と感じています。

――現状に満足せずに「こうなりたい」という目標を追求していくこと、目標を周りと共有すること。「自分らしく働く」秘訣は、このあたりにあるのですね。本日はありがとうございました!

<了>

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