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私がシステムエンジニアとライターを兼業できる理由。ビジネススキルが劇的にアップする“エンジニア流”3つの仕事術

2016.05.17

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こんにちは。このたび、WorkSwitchへ寄稿することになりました、中薗昴です。

突然ですが私、純粋な“ライター”ではありません。“システムエンジニア兼ライター”なのです。普段はシステムエンジニアとして働きながら、その合間に執筆の仕事をし、各種メディアへ寄稿しています。IT技術に関連する記事はもちろん、それ以外にも、女性向けコラム、グルメ、街の名所・名店紹介など、さまざまなテーマが専門です。

システムエンジニアとライター、それぞれの業務で求められるスキルは異なっています。システムエンジニアの業務は“理系”の脳を使う必要があるのに対し、ライターの業務は“文系”の脳を使う必要があるからです。けれど、両方の仕事を経験する中で、「エンジニアとして学んだ仕事術は、ライターの仕事にも応用できる」と確信するようになりました。

その“仕事術”とは具体的にどのようなものか、それがライターの仕事にどう活きているのか、ご紹介したいと思います。

手を動かすな、まずは分析だ!エンジニア流、徹底的リサーチ術

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1つ目の仕事術は、「作業をする前に、徹底的にリサーチをする」ということです。

“システムエンジニア”と聞くと、多くの人は「1日中パソコンとにらめっこして、ひたすらキーボードを叩き、プログラムを作り続けている」というイメージを持つかもしれません。しかし実は、私たちエンジニアはプログラムを書いている時間よりも、「何かを分析したり、検討したりしている時間」のほうがずっと長いのです。

どうしてそんなことをしているのか。その理由は、私たちが作っている“システム”というもののデリケートさにあります。世の中にあるシステムのほとんどは、プログラム内のほんの一部の設計を間違えただけでも、それが重大なバグになってしまう代物。

読者の中にも、「システム障害のせいで、生活に支障が出た経験がある」という方もいるかもしれません。そうした事態を防ぐために、「作業に着手する前に、方針が正しいのかどうか、徹底的に検証する」という習慣を、多くのエンジニアは持っているのです。

こうした姿勢は、ライターの仕事をする際にも非常に役立ってくれます。たとえば、新しい案件に参加するとき、私はまずその案件を分析することから始めています。例を挙げると、

「どんな人たちを対象としたメディアなのか」
「どういったテイストの文章を掲載しているのか。それはなぜなのか」
「記事を読んだ後、どんなアクションを取ってほしいのか」

という感じです。

「そんな面倒くさいことをしないで、さっさと文章を書いた方が作業は早く終わるのでは?」と思う方もいるかもしれません。しかし、そうして作られた文章は多くの場合、読者の心に響かない、独りよがりな内容になってしまいがちなのです。

丁寧に対象を分析し、自分なりの答えを導き出すこと。その上で、作業を始めること。そうした“ひと手間”を入れてあげることが、良いアウトプットをするために重要なことだと感じています。

「新しいものを学ぶ必要はない」と考えたら、成長は止まってしまう

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2つ目は、「未経験の分野に積極的にチャレンジをする」ということです。

人間は、何かのキャリアが長くなればなるほど、そういったチャレンジは心理的にむずかしくなってきます。「失敗したら、みっともない」とか「自分が今持っているスキルは価値がある。新しいものを学ぶ必要なんて無い」といったプライドが邪魔をしてしまうからです。しかし、私がエンジニアとしてのキャリアの中で学んだものは、「そういった姿勢では、10年、20年先まで戦い続けることはできない」ということでした。

エンジニアの世界では、毎年のように新しいテクノロジーが登場してきます。そのため、数年も経ってしまうと、かつては“最新”だったはずの技術が“古くさい”ものになってしまう、ということが頻繁に起こるのです。そうした状況になった時、過去に自分が学んだ技術にしがみついているエンジニアは、あっという間に通用しなくなってしまいます。

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成長し続けるために重要なのは、恥をかいてでも、新しいことに挑む勇気を持つことです。たとえば、私は男性なのですが、かつて女性向けのコラムの執筆を始めたさい、周囲からは奇異の目で見られました。「どうして、男性エンジニアが、女性向けのメディアで書くの?」「あなたがわざわざ、それをやらなくてもいいんじゃないの?」と、ずいぶん言われたものです。

けれど、その経験を積むことの目的が、私にはありました。「女性の目線でものごとを考える」というスキルを養うことです。始めのうちは苦労しましたが、その経験を通して、「多角的な視点からアイディアを出す」ということができるようになりました。結果、さまざまな分野を専門にして、記事を書くことができるようになったのです。

一見すると「自分には関係が無い」と思ってしまいそうな分野でも、勇気を持ってチャレンジしてみる。そうすることでしか得られないものは、必ずあります。

“What”ではなく“Why”。相手が本当に必要なものは、何か?

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最後は、「“What”ではなく“Why”から考える」ということです。

この言葉は、リーダーシップとマネジメントの専門家である“サイモン・シネック”氏が提唱している理論。そして、私がかつて所属していたチームのマネージャーが、口を酸っぱくして話していたことでもあります。

私たちエンジニアは基本的に“技術オタク”です。そのため、仕事をするときにはどうしても「最新の技術を使おう」とか「たくさんの機能を実装して便利にしよう」ということばかり考えてしまいがち。結果、無駄な機能がごちゃごちゃとついた、使いにくいシステムを開発してしまうことが多いのです。

けれど、そんなときにマネージャーに強く言われたのは、「どうしてそれを作る必要があるのか、目的を考えろ」ということでした。

「ユーザーはどんな状況のときに、そのシステムを使うのか?」
「その機能は、そもそも本当に必要なものなのか?」
「どうして、このシステムは存在しているのか?」

“Why”をベースにして考えることで、本当に必要な機能を取捨選択できるようになる。だからこそ、最適なシステムをきちんと提供できる、というわけです。そしてそれは、ライターの仕事においても同じ。

全ての文章には“掲載される目的”が必ず存在しています。逆に言うと、それに沿っていない文章は、どんなに美しくても、内容が濃いものでも、意味の無いものになってしまうのです。

なぜそれを作るのか、その意図を考えるということ。ものづくりをする人間にとって、それは確実に必要なマインドだと感じています。

「既存の分野で培ったノウハウを活かす」という姿勢

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全く分野の異なる仕事である“システムエンジニア”と“ライター”。ですが、両方の仕事において重要になる “考え方”には、驚くほど共通点が多いのです。

何か新しい分野にチャレンジするさいには、「既存の分野で培ったノウハウを活かせないか」と考え、適用してみる。そうすることが、スキルアップのための近道なのではないでしょうか。

(文:中薗昴)

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