IMG_9131

医師とエンジニアは共存できるのか?ハイブリッドチームの開発体制を語る!医師・豊田剛一郎×CTO・平山宗介(株式会社メドレー)

2016.06.29

IMG_9131

テクノロジーの力が活用されてこなかった“医療業界”に風穴を開けるべく、立て続けに新たな医療サービスをリリースしている、株式会社メドレー。

サービス自体のコンセプトはもちろんですが、ユニークなのは開発体制。実は、彼らのサービスが医師とエンジニアのハイブリッドチームによって開発されているのです。

後編では、取締役CTOである平山宗介氏も交え、代表取締役医師・豊田 剛一郎氏と共に医師とエンジニアのハイブリッドチームの裏側をお伝えしていきます。

医師とエンジニアは同じ属性?メドレー開発体制の裏側

hirayama_01

— 医師とエンジニアのハイブリッドチームであると伺っているのですが、一緒に仕事をする中で衝突することなどなかったのでしょうか?

平山:基本的に衝突したことはないですね。衝突しない理由は、医者とエンジニアが同じ属性だからだと思っています。結局のところ、技術を活かして病気を治す、システムを直すという部分は一緒なので、働くにあたって違和感はありませんでした。

インターネットの世界には独自の作法もあるので、そういったところで誤解も生まれたことはありましたが、話し合いで解決しました。

豊田:エンジニアも医師も、お互いすごく職人気質だなと思いました。職人気質同士って、コミュニケーションをとるのが難しく思われがちなんですけど、きちんと相手の出来ることをリスペクトし、自分の出来ることを伝えればお互いを尊敬し合える属性なんですよね。僕は医者とエンジニアは、特にそういう関係だと思っています。

一緒に仕事をする中で、もちろん分からないこともあります。医師から、「こういった機能を追加したい」と気軽に依頼をしたものが、エンジニア側からすると実はすごく大変な作業だったりもする。だからこそ、きちんとコミュニケーションをとるようにしてますね。お互いに言いたいことが言えないと、フラストレーションが溜まっていくだけなので。

保有している知識やスキルが違うかもしれないですけど、”やりたいこと”が一緒なので、議論はしますけど衝突したことはなかったですね。

平山:お互いにリスペクトできているので、どちらかが一方的に主導して進むということもないですよね。

豊田:本当にない。そこがすごく良いところだと思います。まあ、相手のことをリスペクトできる人が集まっているってのもあるんですけどね(笑)。

スクリーンショット 2016-06-28 16.57.38

平山:それはありますね(笑)最初は偏見で、医者の一部には偉そうな人もいるんだろうなって思いも正直あったんですけど(笑)、世代が近かったこともあり、すぐ馴染めましたね。

医師とエンジニア。お互いの立場から見た、考え方の違い

— 医師、コンサルタントというキャリアから一転、エンジニアと一緒に働いてみて、どうでしたか?

豊田:得られるものだらけでした。自分の頭の中には、基本的にWebサービスが作られていく概念がないんですよ。多分、(私の中では具体的にイメージできる)脳腫瘍が取られていく概念が皆さんの中にないのと同じだと思うんですけど(笑)。

一同:(笑)

豊田:オンライン通院システム「CLINICS(クリニクス)」やオンライン病気事典「MEDLEY(メドレー)」など、医者として現場で働いていたときに「こういうものがあったらいいな」と思っていたものが形になっていく過程はスゴく楽しいなと思いますね。

toyoda_01

医療業界に色々と思うことがあって、医者を辞めて(前編参照)。当時思っていたことをエンジニアが具体的に形にして、世の中に一つのサービスとして伝えられるわけじゃないですか。だから、純粋に驚きました。IT企業にいる人とは思えない発言かもしれないですけど(笑)。

— 確かに、そうですね(笑)

豊田:医者だけでは何もできない、と心から思いました。もちろん自社で開発をせずに、外部に依頼して開発を進めることもできたと思いますが、それでは医者の知識の中でできるサービスしか出来てなかったなと思います。

— それはなぜでしょうか?

豊田:「このサービスを作りたいなら、もっとこうした方が良いはずだ」と、エンジニアと医師が一緒にサービスを発展していけるのが今のチームなんです。だから、自分たちがリードするよりもいいものができる、これが一緒に働いているって意味ですね。

— 開発陣は医者と働いて得られたもの、何かありますか?

平山:インターネットの人って、インターネットの常識内で合理的に動くんですけど、医療システムって、すごくファジー(曖昧)だなと、まず思いましたね(笑)

豊田:(笑)

medley_02

平山:例えば、物を購入するときは、最初にそれが300円と言われてから払うのが普通じゃないですか。でも、医療は最初に何も言われず、受けてから急に300円払えって言われる(笑)。

一般的な商取引では有り得ないことが医療では当たり前になっていて、それをインターネットサービスに落とし込むのがすごく難しくて。お互いに業界の常識を疑いつつ、歩み寄りながら、今のサービスを作りあげました。これは自分にとって、非常に新鮮な経験でした。

豊田:医療費負担の計算の基となる「診療報酬点数」の本を平山が読んでいるのを見たときに、「これは一緒にやれるな」と思いましたね。医者ですら、正確に理解していない複雑なシステムを、自分の頭で理解しないとサービスが開発できないから、と開業医の先生が読むような本を読んでいて。多分、その本を読んでいるエンジニアは日本でも平山くらいだと思います。

平山:基本的な資料を読んだだけでは分からなかったんです。初診と再診の基準って一般的には分からないじゃないですか(笑)。病院から再診と言われても、なぜこれが再診なのか分からないときってありますよね。こうしたシステムをインターネットサービスに落とし込む、というのは改めて考えてみると大きなチャレンジだなと思います。

豊田:医療業界のファジーさを明確にしつつ、そのファジーさを保つ。

平山:そうそう!曖昧な部分をどちらかに振り切ってしまうと、医療そのものが回らなくなってしまうので、ファジーにしつつ、論理的に回していくという。だから、すごく面白いですよ。エンジニアとしての腕の見せ所だと思っています。

豊田:エンジニアと議論していると、医療業界のファジーさがすごく分かりますね。しかしサービスを作るには、それがどういう点においてファジーなのか定義し、言語化してコードを書いていく必要があるんです。その思考のプロセスを見ながら、一緒に開発を進めていけるのは面白かったです。

平山:今の医療業界の常識を疑いつつ、サービスを作り上げる。医者とは良いタッグが組めているなと思っています。

ハイブリッドチームを支える2つのキーワード。「好奇心」と「パブリックマインド」

IMG_9047

— ユーザーのために良いものを作る、という共通の想いがあるからこそ良いチームワークが出来上がっているのかなと思いました。

豊田:これは私の勝手な印象なんですけど、医者チームもエンジニアチームも”ユーザーファースト”は当たり前のように考えていて、それ以上に”どうあるべきか”を、みんな一緒になって考えているんです。

もちろんユーザーの意見も大事ですが、メドレーの場合、これまで誰も作ったことも見たこともないサービスを作っていると思っているので、一つ上のレイヤーに立って”何があるべきなのか”を考えながら、サービスを開発していますね。そうでなければ、ワクワクしないじゃないですか。

平山:医療システムって、長い時間をかけて出来上がったものじゃないですか。それをインターネットの力で、改善すべきところは改善して、維持するところは維持する。そうした新たな医療システムをゼロから考えられるところはとても魅力的だと思いますし、自分たちが作った医療システムによって、自分たちの子供や孫が恩恵を受けると思うと、すごく挑戦しがいがありますね。

豊田:自分たちは「パブリックマインド(周りの人の役に立ちたい想い)」って呼んでいるんですけど、社内には好奇心とパブリックマインドが強い人が多い。きっと好奇心が強くなければ、「医療×テクノロジー」の領域って面倒くさいと思って終わりだと思うんです。

できない理由を探すのは簡単なんですけど、どうやったらできるのかをワクワクして考えられるかどうか。先ほど、平山も言ったように自分の子供や孫が、「このサービスがあって良かった」と思えるものをこの時代に作る。そこに対して全員が喜びや面白さを感じています。

medley_03

平山:ベンチャー企業って聞くと、20代のエンジニアが多くいるイメージを持つかと思うんですけど、実はメドレーには30代、40代のエンジニアが多くて。インターネット業界の中を何周もして、最後に働く場所として選んでいる人が多いので、地に足をつけて、次の領域を攻めることができていると思います。

— 全員が大人だからこそ、いいバランスが保てているのかもしれませんね。医者とエンジニアのハイブリットチームの裏側が知れて、すごく興味深かったです。本日はありがとうございました!

このトピックスをみんなとシェアする
このエントリーをはてなブックマークに追加
IMG_9131

この記事が気に入ったら

Work Switchの最新情報をお届け



Follow on twitter