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自分のための時間を毎日1時間作り出す。経営コンサルタントに訊く、質とスピードの両方を押し上げる仕事術

2016.02.12

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本業で使用する名刺の他に、社会活動に取り組むための名刺を持つ、「二枚目の名刺」を筆頭に、「パラレルキャリア」という働き方が一般的になってきた今、会社に遅くまで残り、一つの仕事をこなし続けることは勿体ありません。

本業は定時で切り上げ、その後の時間は“自分の時間”とし、興味・関心が持てる分野に打ち込んでいった方がキャリアの幅も広がっていくはずです。しかし、「早く終わらせよう」と思っても、なかなか終わらないのが関の山。また、急ぐあまり、仕事の質も低下していってしまうことでしょう。

では、どうすれば仕事の質とスピードの両方を追い求めることができるのでしょうか?そこで今回、経営コンサルタントの小笠原 隆夫さんに話をお伺いしました。

きちんとゴールは見えている?なぜ、あなたは仕事を終えるのが遅いのか?

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— 「早く仕事を終わらせよう」と多くの人が思っているにも関わらず、なぜ仕事を終えるのが結果的に遅くなってしまうのでしょうか?

小笠原:私は人事コンサルタントとして、企業での長時間労働対策、残業削減といったテーマに関わることがあります。仕事が遅くなる原因としては、「仕事量が多い」「作業効率が悪い」「想定外の事態発生」のいずれか、もしくはいくつかが同時に当てはまることがほとんどです。

自分でコントロールできること、できないことの両方がありますが、私のこれまでの経験から見て、仕事が遅くなる共通点として感じるのは「ゴールを見通せていない」ということです。

これは、急なトラブルでどうしようもない場合や、プロジェクト全体のスケジュールが見通せないなど、個人の努力ではどうしようもないこともありますが、それよりは自分自身と周囲の人たち(上司、部下)との間で起こっていることの方が、圧倒的に多いと感じます。

「定時間際に作業指示をするマネージャー」や「定時後に開催されたり、いつ終わるのかがわからない所要時間不明の会議」など、主にまとめ役にあたる人たちの計画性の不足や、それに合わせて「急に何か指示されるかも・・・?」などと、それほど急ぎとは思えない仕事で残業している一般社員がいたりします。

— 確かに、急ぎとは思えない仕事で残業している人いますね。
 
小笠原:何となく先に帰りづらいからと、周りのペースに合わせて仕事をしていると、どうしても仕事が遅い人のペースに合わせることになりますが、これはその日の仕事のゴールを見通せていないから起こることですし、「とりあえずできるところまでやっておこう」などと残業が習慣化していくのも、同じくゴールが見えていないからです。

そもそも「今日の仕事は終わったので帰ります」と言えないのは、自分がやるべき仕事のゴールが見えていないせいではないでしょうか。

「品質」「納期」「費用」の3要素を頭に入れておく!スピードを追い求めつつ、仕事の質も高める方法

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— スピードを追い求めると質が落ちる、質を追い求めるとスピードが落ちる。両者のバランスを上手くとっていくためには何を意識すべきなのでしょうか?

小笠原:まず、「仕事の質」とは何なのかをよく考える必要があります。仕事が成功したか否かを決める要素は3つあり、それは「品質(Quality)」「納期(Delivery)」「費用(Cost)」の3つが要望通りに達成されたかどうかです。

そしてこの3つの優先順位は、その時の状況によって変わります。「時間はかかってもよいから100%完璧な品質で」という時もありますし、「60%の出来でよいから早くしてほしい」という時もあるでしょう。

ここの捉え方を誤ると、「品質が悪い」「納期遅延」など、バランスを欠いた状態になります。効率と質のバランスは、「品質」「納期」「費用」の3つの要素で考え、その時の状況によって変わるものだということを意識しておく必要があると思います。

定時の1時間前に仕事を終える!明日から実践できる、3つのテクニック

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— なるほど。では、その上で定時の1時間前に仕事を終えるためのテクニックがあれば教えてください。

小笠原:まず重要だと思うのは、「やらないことを決める」ということ。よくToDoリストなどで、自分のやることをリスト化している人がいますが、この中には優先順位の低い項目が混じってくることがあります。

しかし、一度リストに挙げると、それを見直す機会はあまりなく、ただそれをやり遂げようとしてしまう傾向があります。逆に「Not-To-Doリスト」というものを作り、自分の優先課題や目標をもとに、「やらないこと」を正しく決めることで生産性は上がると言われています。その時点で優先順位が低いこと、自分がやらなくても済むことは、意識してやらないことが必要でしょう。

また、意外に効果が大きいのは「事務作業の効率化」。一日の仕事の中で、パソコン操作による資料作成など、俗にいう事務作業には、思いのほか多くの時間を使っているもので、この効率化を考えることが大切になります。具体的に考えられることとして、まず一つ目はパソコン等OA機器の操作そのもののスピードアップです。

こういうと、例えばブラインドタッチなどで入力操作を早めるなどと考えがちですが、そういうことばかりではありません。例えば「ショートカットキーの活用」ということがあります。いくつか頻繁に使うものだけでも覚えておくと、キーボードとマウスを交互に操作する必要がなくなり、効率が上がります。

また、通常の「文字入力」でも、例えば漢字の読み方に強くなるだけでも、作業効率はかなり違います。

さらにもう一つは「すでにあるものを活用する」「パターン化する」ということです。資料作成などであれば、過去に作られたものや、すでにあるものと類似した資料を要求されることが意外に多いものです。そのような過去の生産物にどんなものがあるか、流用できるものがないかということが整理されていると、作業効率は格段に上がります。

このあたりを意識してみると、質を落とさず、効率よく仕事を進めていけるはずです。

自己判断で走ってしまうのはNG!大切なのは「ゴールを明確にし、適宜確認をとること」

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— 最後に、小笠原さんが考える、「効率よく、質を維持した状態で仕事を進めていく」ために最も大切なことは何でしょうか?

小笠原:最も重要なことは、まず「どこまでやるのか」というゴールを決め、なおかつそれをゴール手前で必ず確認することです。

前に述べた通り、効率と質のバランスは、その時の状況によって変わるものです。もしも自己判断でゴールまで走ってしまうと、品質の不足ということも、その反対に品質の過剰、オーバースペックということもあり得ます。どちらも時間の無駄遣いということでは同じですし、そのせいで修正する時間的な猶予がなくなり、結果的に効率と質の両方が下がっていきます。

まずゴールを決め、それに基づく優先順位と不要なことを決め、特にゴール手前では、その時の状況を確認しながら仕事を進めるということが、効率と質を両立するために意識すべきことだと思います。

— ありがとうございました!仕事の質とスピードを追い求めるにあたって、ちょっとした工夫が時間を生み出していくことを知りました。明日から、こうした少しの工夫を実践していきたいと思います。

【今回、話を伺った専門家はこの方!】
小笠原隆夫/経営コンサルタント

大学卒業と同時に、システム開発会社に入社し、開発現場で技術者としてSE・リーダー職を8年間務める。その後、同社内で新卒及び中途の採用活動、数次にわたる人事制度構築と運用、各種社内研修の企画と実施、その他人事労務関連業務全般に約15年従事する。2度の企業合併を経験し、その際に部門責任者として人事制度や社内規程関連の統合実務を担当。2006年に同社を退社し、2007年2月「ユニティ・サポート」を設立、現在に至る。

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