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「会社へ行きたくない?でも、あなたは毎日”会社へ行く”選択をしている。大切なのは発想の転換だよ」ーー Blue Bottle Coffee COO兼CFO を務める男の仕事観【後編】

2016.05.24

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日本でもお馴染みとなった、大人気コーヒーショップ「Blue Bottle Coffee(ブルーボトルコーヒー)」のCOO兼CFOを務める、デイビット・ボウマン(David Bowman)氏へのインタビュー。

前編では、これまで歩まれてきたキャリアを紐解いていきましたが、後編ではブルーボトルコーヒーでの仕事について深く迫っていきます。

コーヒーでお客様の人生に影響を与え、人・組織の成長も感じられる。ブルーボトルコーヒーの仕事は最高に楽しいね

— 様々な経験を経て、辿り着いたブルーボトルコーヒーでの仕事。具体的にどのようなところにワクワクしていますか?

デイビッド:ワクワクすること……それは2つあります。一つ目はお店にいるゲストを見ているときです。

僕もブルーボトルコーヒーに行って列に並んだり、コーヒーを飲んだりすることがあるのですが、お店に行くと「すごい美味しいよね、このコーヒー」「ここのカフェに連れてきてくれてありがとう。すごくいい感じだね、このカフェ」といった、お客様同士のポジティブな会話が聞こえてくるんです。その会話を耳にすると、これまで自分がやってきたことが、その人のその日を変えている。ひいては、その人の人生に対して何かしらの影響を与えられていると感じられるんです。

アメリカでは約8割以上の人がコーヒーを飲む環境にあるそうで、それだけの人たちが飲むコーヒーの分野において、私たちが新しいイノベーションを起こせていると思えること。そして、そのイノベーションがお客様の人生と直結する何かであると、日々感じられる空間にいれるのはすごくありがたいことだと思いますし、ワクワクします。

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— 2つ目というのは?

デイビッド:2つ目は会社のチームを見ているときです。一緒に働いているメンバー全員が僕にとってはすごく特別であり、大好きな存在。そんなメンバーの成長を実感できることが何より楽しいと思える瞬間ですね。

ひとつの事例として、日本で清澄白河ロースタリー&カフェをオープンしたときのことを話します。2015年2月にお店をオープンしたのですが、それまではどうやってお店を開けるのか、毎週レポートを持ち合いながら、現状の把握、今後のスケジュールを報告し合っていました。

そういった状態だったので、最初は日本チームの人たちも僕のことをすごく頼りにしていたそうなんです。でも、1ヶ月後の青山カフェの立ち上げでは、「もう日本のチームだけで出来るから大丈夫」と言われ、ミーティングをやめることになりました。

個人的にはすごく寂しかったです(笑)。ただ、これまでハンズオンでやらなければいけなかったことが日本チームだけで完結できるようになっていく。そこで人、組織の成長を感じることができたんです。やっぱり、その瞬間はすごい楽しいですね。

意外に思うかもしれないですが、ブルーボトルコーヒーには細かいオペレーションはありません。そのため、社員一人ひとりがモチベーションが高い状態で、「あれもやりたい」「これもやりたい」って自発的に動いてくれているんです。それこそが人、組織を成長させる原動力になっているのかなと思います。そういう意味では、自己発電型の人々に囲まれて組織をマネジメントできているのはすごくありがたい経験ですし、嬉しいことですね。

会社のミッションに対して、どれだけ情熱を持てているか。それを面接で見極めることで会社はモチベーションが高い人間の集団になる

— 社員が自己発電のようにモチベーション高く働く。会社として何か取り組んでいることはあるんでしょうか?

デイビット:そもそも、全員が自己発電型でモチベーションが高いかと言われると、そうではないと思っています。だからこそ、まずはそういった人たちを見つけて、採用してくることがとても大切になります。

もちろん、自己発電型の人たちが世の中にたくさんいると思っていないので、ブルーボトルコーヒーではこれまでの経験やコーヒーの知識だけを見るのではなく、その人がブルーボトルコーヒーのミッションに対して、どれだけ情熱を持って仕事に取り組めるか。これは本人が持ち合わせている能力だと思っているので、そこを最初の面接でどう見極めるかがすごく大事になるなと思っています。

手前味噌になってしまいますが、私たちの会社はそういう人たちの集団です。その中で色々な施策をやっていくと全てがうまくいくんじゃないかと思います。

例えば、僕の隣にいる沙紀は良い事例ですね。

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Blue Bottle Coffee Japan合同会社 取締役/最高責任者 井川 沙紀さん

井川:私は清澄白河ロースタリー&カフェがオープンする前の2014年11月にPRマネージャーとして入社したのですが、当時は給与の支払いから採用、就業規則の策定から、経理の支払い業務や店舗のデザインに至るまで、着手しないといけない状態でした。とにかく、目の前のことを一生懸命こなしていたら、いつの間にか日本代表になっていたんです。

デイビット:きっと会社から言われたことだけやっている人であれば、こうした道を歩むことはできないと思います。もちろん、会社として色々なことをやらなければいけない状況だったのですが、自発的に動いていったからこそ今の沙紀があるんじゃないかと。

毎日は選択の連続。会社に行かない選択だって出来るのに、みんな毎日会社へ行く。まずは起こった出来事をポジティブに捉えてみれば?

— 自発的に動くことで仕事は楽しくなっていくと思うのですが、日本で働く多くの人は仕事に対してネガティブなイメージを持っています。これまでのデイビットさんの経験から「働く楽しさ」を見つけるにはどうしたらいいと思いますか?

デイビット:僕も毎日楽しいことばかりではなく、色々大変なことがあります。例えば、ボストンコンサルティング時代も大変なことがたくさんありましたが、その期間は自分のスキルを習得させていただく時間だったと当時も思っていましたし、今でもそう思っています。

それを経て、現在は自分が学んできたことを活かして会社を成長させていくステージにしたいと思い、ブルーボトルコーヒーで働いています。

そういった意味では、自分がいる場所に情熱を持てるかどうか。これがすごく大事だと思います。逆に情熱を持っていないと、何も楽しいことはなく、結果的に仕事は楽しめないんじゃないかと。

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— その情熱、どうやったら得られるでしょうか?

デイビット:情熱を得る方法は本当に色々あると思っています。例えば、素晴らしい仲間と一緒に働けることも情熱になるでしょうし、毎日素敵な経験をしてくださるお客様を見ることも情熱を生む原動力になるかもしれない。あとは会社の文化やブランドなど。本当に様々なことが絡み合って、その人にとって仕事場が情熱的な場所になると思っているので、まずは情熱を持ち続けることが仕事を楽しむ秘訣になるのではないでしょうか。

あと、少し補足をさせていただくと、僕は、毎日は選択の連続だと思っています。だから、毎日会社を辞めることだって出来るんです。でも、多くの人は毎日「会社に行く」という選択をしている。そして行くと決めたのであれば、その日をどう過ごすかも決めることができる。

例えば、何か仕事で嫌なことがあったとき、「何でこんなことが起こるんだろう?」って考えることもできれば、「ここで起こったことを明日にどうやって活かすか」とも考えることができるはずです。

その発想の転換が自分の人生の形成に大きな影響を与えると思いますし、起こった出来事を前向きに捉えて、次に活かしていくことが情熱を持つことにつながってくる。ですから、まずはチャレンジすることを楽しむのが何より大切だと思います。

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— ありがとうございます。では最後に、お話できる範囲で構いませんので、今後の展開を教えていただけないでしょうか?

デイビット:ブルーボトルコーヒーの一番大きなミッションは「全ての人に美味しいコーヒーを届けること」です。現在、店舗数はサンフランシスコ、ニューヨーク、 ロサンゼルス、東京の 4 都市圏で25店舗ですが、この先も増やしていく予定ですし、日本では2016年下期に六本木カフェ(仮)が新しくオープン予定です。

今後、お店を増やしていく上で何より重要になるのが「人の教育」。ブルーボトルコーヒーは一杯一杯、バリスタの手でコーヒーを淹れているので、いかに同じレベル感、クオリティでコーヒーを提供し、会社をスケールさせていくか。それが会社を成長させていくにあたって、大きな課題になると思うので、今後は「人の教育」にチャレンジにしていきたいですね。

創業者のジェームス・フリーマンは「同じ場所に居続けることは退化だ」とよく言っているので、全社員がその言葉を体現できるよう、日々、成長していきたいと思います。

— 今日はお忙しい中、ありがとうございました!情熱を持って取り組む。これが仕事を楽しむ上で何より大切になるんですね。今後のブルーボトルコーヒーの展開もすごく楽しみにしております!

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