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毎月10万円が国から支給される?!自由に働けるベーシックインカムが実現する社会とは

2016.09.07

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障がいのある子どもたちの福祉機器を輸入販売しながら、ベーシックインカムの普及・研究をベーシックインカム・実現を探る会としてやっている白崎一裕と申します。

現在の障がい児向け福祉機器の会社を立ち上げる前、私は6回ほど転職を重ねてきました。その度に悩まされたのが「お金」の問題。明日の稼ぎはどうなるのか?この職で食っていけるのか?これは、生きていく上でつねにつきまとう根本的な課題です。「お金」はとても大切なものです。

その「お金」に人生が振り回され、いつの間にか人生そのものがお金の奴隷になってしまう不安。「お金」から自由になるにはどうしたらいいのか。そんなことを考えているとき、7年ほど前に「ベーシックインカム」という考え方に出会いました。

自分の口座に国から毎月お金が入ってくる?そんなうまい話は…あるんです!

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ベーシックインカム!日本語にすると「基礎所得保証」とか「基本所得」、「最低所得保証」ということになります。中身はとてもシンプルな政策提案です。

想像してみてください。みなさんの持っている銀行口座に毎月、一定の現金(理論的には10万円前後)が国から入金されるとしたらどんな気分ですか。

え~~っ。そんな美味しい話があるはずがない、きっと何か裏があるはずだ!そう思われるかもしれません。でも、この考え、200年以上の歴史があります。しかも部分的には、すでに実施もされているんです。

たとえば、アメリカのアラスカ州では、州の油田収入を原資に、州民に年間15万円ぐらいの現金を支給しています。また2016年6月には、スイスにおいてベーシックインカム導入の是非が国民投票にかけられました。残念ながら、否決されましたが、スイス国民の約25%の人々が賛成したのです。

さらにこの前後には、オランダやフィンランドでのベーシックインカムの政策実験や韓国の地方自治体での現金給付など、世界各国で同時多発的にベーシックインカムが話題となり、注目を集めています。

日本でも、ベーシックインカムとは少し違いますが、岩手県遠野市では地方から起業する人々への支援として定額の現金を支給する施策が試されたり、現在の安倍政権でも、約2200万人の低所得者に15,000円の一時金を支給することが検討されています。ベーシックインカムの概念は、少しずつですが、現実味を帯びてきているのです。

働かずともお金がもらえる未来社会。怠け者が増えない訳は江戸時代の農民にあった

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おそらくベーシックインカムと言っても、ピンと来る人は少ないと思います。むしろ疑問だらけのはず。ここでは、そんなよくあるベーシックインカムに関する疑問についてお答えしていきしょう。

最初の疑問は、「現金をずっと国からもらえたら、みんな働かなくなって怠け者がどんどん増えちゃうんじゃないですか?」というもの。

ベーシックインカムの基本思想は、働くことと収入(所得)を切り離してしまうことにあります。ここにみなさんが不安を感じるのかもしれませんね。働いて稼いでこそ一人前という倫理観が日本人には根強くあります。でも、考えてみてください。

ベーシックインカムの支給額は最初にお話ししたように、現在の日本人ひとりあたりの最低生活費が月額8万円ぐらいということから計算された10万円前後です。この金額で、なんとか暮らしていこうという人もいるでしょう。でもほとんどの人は、ベーシックインカムに加えて何らかの収入を得ようとして働くのではないでしょうか。

また、働くことと収入が合体しているのは、歴史的には近代になってから。江戸時代の農民は、収入(コメなどの収穫)になること以外に、村の維持のために多くのボランティア仕事をしていました。働くことと収入が一致してはいなかったのです。

もちろん、村の維持がなければコメの収穫もないわけですから、間接的には収入につながってはいます。しかし、個人の収入には直接、繋がらない作業を、江戸時代の農民はたくさんしていたわけです。

また、現代に立ち戻って考えてみると、非正規の労働者が全体労働者の4割になり、ワーキングプアという働いても年収が最低生活費ぐらいしか得られない人々が1000万人以上存在するという統計もあります。

つまり、労働は万人に対して収入の手段とは言えなくなってきているのです。そこで導き出されたのが、労働と収入を切り離して生活を考えるベーシックインカムの概念です。

また、未経験の仕事を体験する事や、地方の人たちとのふれあいを目的に一緒に働き、コミュニケーションを図る「ボラ仕事」で人様のお役に立つほうが、ブラック企業やブラックバイトにしがみつくよりも本当の意味で社会的に一人前ともいえます。ベーシックインカムがあれば、宿命的・強制的な労働から軽やかな選択の労働へ、転換することが可能になるのです。

ベーシックインカム100兆円の財源は、日銀の量的緩和政策の応用で確保する

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次の疑問は「ベーシックインカムは、良い話かもしれないけれど、財政危機の日本にそんな巨大な財源なんかあるはずないでしょう。財源はどうするの?」というものです。

たしかに、ベーシックインカムには、月8万円の支給でも年間100兆円以上の予算が必要です。軽く国家予算を超えています。税収不足で借金を重ねて、今やGDPの2倍近くも借金があるのに無理でしょう、という話はもっともです。

でも、心配はいりません。税金で国家予算を賄うという発想から自由になってみればいいのです。実際、日銀は、量的緩和政策ということで国債(国の借金)を80兆円も毎年買い入れて、市場に大量の資金を投入しています。

それなら、日銀が放出しているお金を、国民一人ひとりに直接配ってしまったほうが話が早いということになります。

少し難しい話になりますが、通貨発行の権利を国が直接行い、ヘリコプターが空から現金を国民にばらまくように(ヘリコプターマネーと言います)その現金をベーシックインカムとして使うという発想です。これなら、ベーシックインカム以外の財源も確保できて安心です。

AIとロボットが大部分の仕事を担う近未来。自分の夢のために働く社会をベーシックインカムが叶える

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ここのところ、AI(人工知能)の話題で持ちきりです。AIが医者の代わりに画期的な治療法を提案したり、AI搭載の完全自動運転車が2021年までに実現するという報道がありました。これらのことから、日本の労働者の半分はAIやロボットに取って替わられるという政府や経済シンクタンクの発表もあります。AIで生産能力は高まり、ごく一部の人々はAIの恩恵でものすごく儲かるかもしれません。

しかし、大半の人々は、仕事がなくなってしまうかもしれないのです。こうした時代に対応する社会制度はベーシックインカムしかありません。

今までお伝えしてきたように、労働と収入は一致しなくなりました。そして、AI社会の到来で稼ぎ仕事がなくなってしまうと、モノやサービスを購入する消費者もいなくなってしまいます。言い換えれば、AIやロボットで有り余る物やサービスは生み出され続けるのに、消費がどんどん減っていくという矛盾が生まれてきます。

こうした社会の根本的な矛盾を解決するために、豊富な物やサービスの富に匹敵するお金を政府が主導するヘリコプターマネー(政府通貨とか公共通貨とも言い換えられます)として発行して、国民一人ひとりに支給することが必要になってきます。

実は、すでに現在の世界経済は、AI社会の前段階として、上記の社会矛盾が広がりつつあります。世界中で景気はなかなか良くならず、格差がますます広がっているのです。これが、いま、ベーシックインカムが世界で現実味を帯びている最大の理由といえます。

みなさんの働く現実とこれからの生き方を考えるとき、ベーシックインカムは大きなヒントを与えてくれると確信しています。参考までに、ベーシックインカム・実現を探る会のサイトをご覧になってみてください。

ベーシックインカムを知る人が増えればきっと変わる

ベーシックインカムが実現した社会。生活費は、ベーシックインカムでまかなえます。自分は、お金を得る目的以外で、自らの夢のために自由な働き方ができるのです。

まずは、ベーシックインカムについて友人や同僚と話をしてみてはいかがでしょうか。そこから、あなたの働き方と世界が少しずつ変わり始めるはずです。

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