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25カ国200人の海外で働く日本人に会って分かった。海外で働く上で語学力より大切な2つのこととは?

2016.10.07

suzuki_eyeCatchPh日々の仕事に追われながら以下のような夢を抱いている人もきっといるはずです。

「好きな国で好きな仕事をできたらどんなに楽しいだろう」
「自分らしい働き方は海外にあるのではないか」

そうした思いを叶えるべく実際の行動に移した人がいます。それが鈴木太郎さん。ブログ『SuzuTarog』を運営する27歳。

自分に合った海外での仕事を求めて2015年11月、世界一周の旅に鈴木さんは出発。そして約7ヶ月をかけて、世界25か国で働いている日本人約200人に会ってきたそうです。

そうして世界中を旅する中で鈴木さんは2つのことを見つけました。

1つは、海外で働くのに必要な条件。
2つめは、自分が本当にやりたいこと。

鈴木さんは、いろいろな人と出会って何を感じたのでしょうか。お話を伺います。

幼少時に父親のアメリカ出張同行で海外に興味。大学在学時に米国ディズニーワールドで働くことに

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ディズニーワールドで働いていた当時の鈴木さん(写真右・出典:SuzuTarog

— 海外へ興味を抱いたきっかけは何ですか?

鈴木:僕の父が建築士なんです。仕事柄、建物に用いる木材やドア、壁材などを買い付けるためにアメリカへよく出張していました。

小学生の時に、出張する父に初めてついていき、一緒にアメリカへ行ったんです。現地で青い目をした男の子と一緒に遊んだりしたんですが、話はかみ合わないけど楽しいんです。子どもって、言葉が通じなくても遊べちゃうものなんですよね。それが海外に興味を抱いたきっかけでした。

その後、海外に住んでみたい、働きたいという夢を抱くようになり、高校生の時に1年間カナダへ留学しました。

— すごい行動力ですね!

鈴木:でも留学を終えても英語を勉強し足りないっていう気持ちが強くて。そこで、大学生の時にはアメリカへ行きました。より実践的に英語を学びたいという思いが強かったので今度は、アメリカ・ディズニーワールドでの長期インターンシップに参加しました。

— 具体的にどんな仕事ですか?

鈴木:8ヶ月間の間、ディズニーワールドのキャストとして働きます。世界中から来るゲストの前でマイクパフォーマンスをしたり、アトラクションを動かしたりします。そこでいろんな文化圏のゲストとふれ合うことで、様々な文化圏の人との交流の方法を学びました。

— その経験が世界一周旅行で役に立ったんですね。そもそもですが、世界一周旅行へ旅立った理由はなんですか?

鈴木:海外で自分が働きたいと思える仕事や場所を見つけたい、という思いから世界一周旅行をしようと考えました。

実は海外で働くのに語学力は必須ではない。けれど、より良く働くなら語学力は身につけておいたほうが良い

#こりあゆ #韓国 #seoul #korea #interview #coffee #年下美女との写真に緊張する26歳

Taro Suzuki (鈴木 太郎)さん(@taro8138)が投稿した写真 –

韓国滞在時の鈴木さん(写真右)

–海外での仕事を探すために世界一周の旅を決意なさったのですね。やはり海外で働くなら、鈴木さんのように外国語と文化交流の経験がないとだめですか?

鈴木:どちらとも言えません。世界一周をして海外で働く人と会ってみると、全員が外国語に堪能というわけではありませんでした。

海外で働くっていうと外国人を相手に仕事するというイメージが強いですよね? でも、現地に支店を構えている日系企業と仕事をしている方も多いんです。取引相手が日本の会社だと日本語ベースの仕事になります。

ただ、取引相手が日本人でも自分が一緒に働く仲間が外国人なら、その人たちと会話ができないと仲間との信頼関係が築けません。そのため、現地の言語を学ばれてる方は多かったです。

— そうした海外で働いてる方はどんな仕事をなさっているのでしょう?

鈴木:僕がお会いした方々の中で多かったのは不動産業。東南アジアは特に多いです。高騰している不動産を買って、日本人や中国人に販売したり賃貸するという事業です。次に多いのは日本食レストランですね。

— 不動産や飲食業をもともと日本でしていた方が現地で同じ事業をやっているのですか?

鈴木:不動産業は、日本国内で元々やっていた方が多い印象です。日本食レストランはまちまち。日本国内では経験がないけれど、現地で職人さんを雇って始めた方もいらっしゃいました。お金がある。時間もある。じゃあ、何をしようって考えたとき、日本食レストランが最初に頭に浮かんだそうです。

— そうした方を含めて何人ぐらいの海外で働いてる日本人に会ったのですか?

鈴木:25カ国を回って約200人ぐらいに会いました。序盤は1日3〜4人のペースで会っていたので、正直つらかったです(笑)。

— 1日4人のインタビューがどれほど大変なのかはよく分かります(笑)。

海外で起業した日本人で1番印象的なのは、ご自身が登山で生死の間を彷徨ったことで起業を決意したベルリン在住の男性

— 海外で働く200人の日本人で1番印象に残っている方はどなたでしょう?

鈴木:ドイツのベルリンで起業した佐藤勇士(さとうたかし)さんです。その方は27歳。僕と同い年ですね。佐藤さんは、アディダスのドイツ本社で働いていた方です。

その仕事の一方、趣味の登山にも打ち込んでいらっしゃいました。しかも、素人レベルではなくプロ級の登山なんです。登山ガイドを雇って、アルプスやマッターホルンなどの標高5000メートル以上の雪山を登るレベルの登山です。

そんな佐藤さんが作ったサービスが、登山をしたい人たちとプロの登山ガイドをマッチングするプラットフォーム「Berguide(ベルガイド)」。彼の場合は好きなことがそのまま仕事に直結していますね。

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Berguideを創業した佐藤さん(出典:SuzuTarog

— Berguideを佐藤さんが起業したきっかけが気になります。

鈴木:彼自身が、ボリビアで登山したときにガイドとのマッチングがうまくいかなかったそうなんです。その登山中に体調を崩してしまって彼は死にかけたらしいんですよ。5000メートルの雪山でですよ。

— それは強烈な体験ですね!

鈴木:そうなんです。そんなすごい体験があると、登山者とガイドのマッチングプラットフォームを作ろうという思いにも説得力がありますよね。自分が好きなことだったりやってきたことを活かして新しい仕事を生み出す姿がすごく魅力的でした。

— そのサービスは佐藤さんが1人で作ったのでしょうか?

鈴木:プラットフォームの大枠は佐藤さんが考案されたようです。アディダスに勤めていたときの長期休暇の最中にウェブデザインやコーディングを勉強したらしくて。そのコーディングを勉強した後に「自分でサービスが作れるんじゃないか」と(笑)。

気づいてすぐにアディダスを辞めたらしいです。

–行動力がすごいですよね。鈴木さんは、もともと世界一周に出発するときから佐藤さんのような海外で起業している日本人に会おうと考えていたのですか?

鈴木:いえ。最初は、ただ単に「海外で働いている日本人」に会うつもりでした。それがいざ海外に行ってみると、自分で事業を興した日本人が魅力的だなというふうに感じるようになり、それで、海外の日本人起業家に会うようになったんです。

海外の仕事は「人のつながりで探せ」!

— そうしてお会いした起業家は200人!いろいろな方がいらっしゃると思いますが、日本人はどうやって海外で事業を起こしたのでしょうか?

鈴木:おおざっぱに3つに分かれます。

1つ目は、自分がやりたい仕事を自分で設立された方。
2つ目は、ビジネスで商機がありそうなものを自分で設立した方。
3つ目は、投資家に雇われて現地の責任者になった方。

— 3つ目の「投資家に雇われた」というパターンが気になります!

鈴木:タイのバンコクでアニメーションを制作する会社がその例です。社長は29歳の清弘文哉(きよひろふみや)さん。清弘さんがお仕事を探しているときに、一人の投資家に出会ったそうです。その出会いをきっかけに、投資家から「アニメーション制作会社を作りたいと思ってる。君が責任者にならないか」と誘われたそうです。
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JCREATiONの清弘さん(出典:SuzuTarog

— すごい流れですね!そんな運命的な出会いにはどうすれば巡り会えるのでしょう?

鈴木:Facebookの友達や、友達の友達として表示されている方。あとは知り合いに紹介してもらったり、友達の友達という関係を日々たどっていっていろいろな人に毎日会っていたそうです。

— 海外で働くには、人のつながりを生かすべきなのですね。

2020年東京オリンピックに向けて、訪日外国人と日本人が交流できる場を作るのが夢!

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— 世界一周を終えた鈴木さんの夢は何ですか?

鈴木:日本人と外国人の接点を促進するための場を作りたいと考えています。そういう場があれば、日本人と外国人が友達になることもできる。2020年に東京オリンピックがありますよね。その頃、日本で仕事をしたいと思う外国人が増えるかもしれない。

「じゃあ、外国人の力を借りたい」という日本のビジネスマンと、日本で働きたい外国人がミートする場があればいいなと思っています。

— 世界一周旅行をしていろいろとな人と出会い、考え方が変わったことはありますか。

鈴木:海外での自分の働き方を探すのが目的だと世界一周旅行出発時のブログには書きました。海外でずっと働きたいと考えていたんです。けれど、必ずしも海外である必要はないという結論に至りました。

自分が海外に興味を持った理由は「外国人と何かをする」こと。

それは必ずしも海外である必要がないと気づいたんです。外国人と何かができる場所を日本に作る。日本に来る外国の方と、海外が気になっている日本人をその場所でつないで、出会いの機会を与える仕事をしたいと考えています。

— 海外で働く人たちに会って鈴木さん自身の考えが変わったんですね?

鈴木:大どんでん返しです(笑)。海外で活躍する日本人起業家の方々に直接会って、自分の考えがブラッシュアップされていきました。いろんな起業家のみなさんにアドバイスをいただけたのが大きいです。

海外で働く理由をしっかり考える。自分の意思を貫く。海外で働くのに大切な2つのことはズバリこれ!

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Taro Suzuki (鈴木 太郎)さん(@taro8138)が投稿した写真 –

ボリビアのウユニ塩湖での鈴木さん

— 海外で会った人たちに共通することありましたか?そこに、 海外で働く条件がありそうです。

鈴木:海外で仕事をなさっている皆さんに共通することは、仕事においてやりたいこと、するべきこと、なぜそこにいるのか、そうした理由付けがしっかりできていることです。皆さんそれぞれが自分の意思を持っている点ですね。

— 海外で働くことに大切なのは、自分の意思を持つことと理由付けなのですね?

鈴木:そうです。「自分はなぜ海外で働くのか?」という理由付けをしっかり持つことと。それを貫き通す「意志力」というべきもの。その2つが、海外で働くには大切です。

たとえば、先ほどお話したベルリンの起業家・佐藤さんは、東京とベルリンのどちらで起業するかを考えたそうです。

考えた結果、彼はベルリンを選びました。理由はベルリンが起業家にやさしい街だったから。ベルリンで開催された、スタートアップミーティングみたいな場で登山家とガイドのマッチングサービスでの起業をお話されたときにすごい拍手を受けたらしい。

同じ話を彼が東京でした際には「アディダスを辞めてまでやることなの?」と言われたそうです(笑)。

— それでも鈴木さんは日本で事業を起こされるわけですね?

鈴木:はい。先ほどお話しした、日本人と訪日外国人が出会える場、例えば「宿泊ができる」ゲストハウスと、「仕事ができる」コワーキングスペースの双方のアイディアを持ち合わせたような場を運営したいと考えています。普段から日本人と外国人が接点を持てるような場を生み出すことで、多くの日本人が抱えている外国人に対する壁をなくしていきたいと考えています。

東京でも田舎でも、老若男女問わず誰もが外国人と気軽に触れ合える日本に変わっていくと楽しいですよね。

— 理由を考える力と意志力、わたしも磨きます! そうして、人のつながりを活用していくことで、自分らしい働き方を見つけたいと思います。本日はありがとうございました!

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